8/29(土)は,
浮羽歯科医師会
で学術講演会が行われた。
私は予定よりも1時間早く現地入りし、昼飯がてら街を散策した。

まさに田園風景。
しかし、街並みは城下町のような作りであった。
と、会場に移動し、講義を2時間行った。

まず前半は再根管治療の話である。

以下の4項目を解説した。


















Gutta Percha Pointが根尖孔外から逸出するとテンションが下がる?が、
文献的には以下だった。


その理由は、Gutta Percha Pointの構造(組成)である。

Gutta Percha Pointは100%がガッタパーチャではないのである。
70%が酸化亜鉛だ。
この酸化亜鉛、または亜鉛イオンが害を与える原因である。

では、以下のようなケースが起きた理由は何だろうか?



上顎はGutta Percha Pointが再生した骨にプレスされたのか?
となれば、下顎のはみ出たGutta Percha Pointはどういう機序で消失したのか?説明がつかない。
前述した
Sjorgren, Sundqvist, Nair 1995 Tissue reaction to gutta-percha particles of various sizes when implanted subcutaneously in guinea pigs
の文献を参考にすれば、
根尖外に出た大きなGPは、最初は「被包」される。その際に炎症はほぼ起きない。
ところがGPが微細化すると反応が全く変わる。
同じGPを50–100 μmに粉砕すると、Sjögrenらの結果は劇的に変わる。
微細GP周囲に、macrophages, multinucleated giant cellsが集積し、典型的なforeign-body reactionが起こるのである。
だとすれば、治癒しないはずであるが、上記の文献には、
Some particles appeared internalized but we cannot conclude that they were actually phagocytosed.
とある。
さらに、
Further disintegration of the gutta-percha particles may be necessary for mononuclear phagocytic removal.
とあることから、
さらに小さく崩壊して初めて、単核食細胞による除去が可能になるという推測で文献が終了している。
すると、今回のプレゼンけーすでは,
最初に根尖外へ細長いGPが突出していたとすると、
根尖外GP point(bulk)
↓
組織液に長期間曝露
↓
表面の物理化学的変化
↓
fragmentation / disintegration
↓
より小さいGP-containing particles
↓
macrophage + foreign-body giant cell accumulation
↓
さらに微細化した成分の処理・移動
↓
長期間かけて根尖外のX線不透過物質が減少
↓
PA/CBCT上で短縮・消失したように見える
という説である。
Sjögrenらもまさにこの「遅さ」について、
“This being a very slow process, would explain the clinical observation of a long radiographic persistence of apical excess of gutta-percha.”
と述べていることからもこの説が濃厚であろう。
また、
ZnOなどの無機成分の溶出・移動、材料表面の変化、fragmentationなどによって、最初のGP pointと同じ組成・構造が永久に維持されるとは限らないことから、根尖外GP/充填材が長期的に微細化・除去され, マクロファージに貪食され得るという仮説と整合すると思われる。
これが現時点でのこのケースでの私の認識だ。
認識をしたならば、再根管形成だ。
以下のような方法が一番早い。
CBCTで作業長の予測をし、予測から-1~3mm引いた長さで、根管にC-solutionを入れながら再根管形成する。
その際に重要なのが以下の絵だろう。



もう1時間は意図的再植の話を行った。





詳細は昨日の記事をご覧ください。
歯が折れていて歯周病も合併しているので抜かなければならないと言われた…残せないだろうか?〜#31 Intentional Replantationとその1yr recall
ちなみに会場はドカンドカンと湧いていたw
私の講演はどこで話してもこのような感じだ。
受講者を寝させないように工夫している。
そしてもっと重要なのは、
こうした知識をいち早く知り得て実践したものがこの業界で勝てる
という事実である。
事実、多くのBasic, Advancedの卒業生は自由診療へ移行して地域医療に大いに貢献している。
これこそが、脳出血で倒れた私の最早、残された唯一の人生に対する意味合いだろうと私は思っている。
同じようなことができる人間を増やし、地域貢献である。
問題解決能力のない人間の歯科医院に誰も来ないのだから。
全国どこからでもお待ちしていますw
ということで, 懇親会を経て1日はあっという間に終了した。
素敵なお土産も月曜日に届いていた。


ありがとうございました。
そして、1日、皆様、お疲れ様でした。
また、いつでもお呼びください。