紹介患者さんの治療。
主訴は、
左上奥歯の銀歯が外れ、物が挟まり不快感が強い。。。
である。
Pre-op Endo Test(2026.10.15)

が、その日は臨床症状が何もない。
PA, CBCTは以下である。


湾曲の激しい根であるということがPAでもみて取れる。
CTも撮影した。
MB

Stropko 1999 Canal morphology of maxillary molars: clinical observations of canal configurations
によれば、
上顎第2大臼歯にMBは60%の可能性であるという。
が、だ。
CBCTがあれば、

MBの根管がMB根の中央にある。
このことから、
MB2はこの歯にはない、ということがわかる。
これはPAでは決してわからない診断だ。
もはや、CBCTがなければ歯内療法ができないということがよくわかる一つの事象だろう。
DB

P

P以外の2根は湾曲が激しい。
作業長の測定時点で問題を起こしかねない根管だ。
それぞれの攻略方法だが、
P

Pはあまり気にするポイントはなさげである。
DB

DBはファイルをよりストレートに扱うのであれば、
Reference PointをMBにおくべきであろう
ということがわかる。
エンドを行う上でのコツである。
MB

この治療で最大の懸念はこのMBだ。
作業長測定の時点でレッジを作りかねない。
どのようにしてこうした場合は作業長測定の必要があるだろうか?
今日のブログの最大のテーマである。
また、今回の根管治療は,
根管ごとに形成+根充を進めていく方法を採用した。
まとめてやると集中が削がれるからである。
その際は、



こうしたCBCTに基づく“絵”を参考にして行うことにした。
Pre-op Endo Diagnosis(2026.10.15)
Pulp Dx: Asymptomatic irreversible pulpitis
Periapical Dx: Normal Apical Tissues
Recommended Tx: RCT
同日、治療へ移行した。
☆この後、治療動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。
#15 RCT(2026.10.15)
Pから根管治療を行う。
根管は湾曲ではないのでHyFlex EDMのシステムだと、#25.Vからスタートだ。
そして将来の感染を懸念してMAFは#40.04とした。
次がDBだ。
さて、最後が湾曲が強くトランスポーテーションする懸念が高いMBだ。
どのように行うか?といえば、臨床的なコツは以下だ。
???なあなたには、
Basic Course 2027
で説明します。
お楽しみに。
湾曲根管であったので、HyFlex EDMを使用する私は#10.05から根管形成をスタートした。
次が#20.05である。
次が#25.Vである。
湾曲が強い根なのでこのサイズで根充しようとしたが、ペーパーポイントから出血が止まらず、
テクニカルエラーの懸念はあったものの, MAFを#40.04にアップした。
すると、根管からの出血はStopした。
MBのMAFが#40.04のことから、Gutta Percha Pointは#35.04を選択したが、作業長まで到達しなかったので、サイズダウンしていき、最終的には#25.04で根管充填した。
以上の結果が下の表だ。

術後にPA, CBCTを撮影した。


MB

DB

P

問題はないだろう。
根尖病変もないので最終補綴もOKだ。
次回は半年後に再度経過を追う。
またその模様をお伝えしたい。