紹介患者さんの治療。
主訴は、
右上の奥歯の神経が死んでいると言われ、神経の治療が必要なので来院した
である。
Pre-op Endo test(2026.7.7)



PAではMBの根尖部に病変?らしきものがあるのがわかるが、判然としない。
が、直覆的な治療がなされている形跡があるのがわかる。
成人の場合、その成功率は極めて低いことがわかっている。

CBCTも撮影した。
MB1

MB1には根尖部に病変が見える。
そして上顎洞炎も併発している。
MB2

が、MB2には病変が見えない。
MB2の位置は、

MB1よりも3mm口蓋側にあることがわかる。
術前にこうした絵を作成し、ユニット横に貼り付けておいた。

が、だ。
MB2には根尖病変が見えないのでここはあまりクレイジーに見つけてやる!という執念を燃やさなくても問題がないことがわかる。
が、それはCBCTを撮影し、
“診断できる絵”
にして, 初めて, わかることである。
そうでなければこの事実に気づくことは永遠にないだろう。
さすれば、
水酸化カルシウム貼薬という面倒な作業
へ移行することになる。
私はそれをしたくないので1回で終わらせる。
それは患者さんも同じだ。
歯科医院に誰が何度も通院したいだろうか?
勘弁してくれよ💢である。
それに応えるには1回で終了できる目や予測、そして技術を持つ臨床家でなければならない。
それに答えてくれるのは、
Basic Course 2026
のみであると断言しておこう。
DB

DBには根尖病変がない。
ここはパフが起こり得ないということがわかる。
P

Pにも病変がある。
ここはパフが起こり得る。
が、シーラーパフは狙ってそうなるものでなく、そうならなくても予後に影響を与えないことも述べておこう。
Pre-op Endo Diagnosis(2026.7.7)
Pulp Dx: Pulp Necrosis
Periapical Dx: Symptomatic apical periodontitis
Recommended Tx: RCT
同日、治療へ移行した。
☆この後、治療動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。
#3 RCT(2026.7.7)
P, DB, MB1の順に作業長を測定し、いつものように
HyFlex EDM #25.V,
MB,P Patency FileおよびDBのRecapitulation
#40.04 Prep
MB,P Patency File, DB Recapitulation
が、MB1とPはペーパーポイントで出血があった。
そのため、#60.02まで拡大した。
P
MB1
この後、ヒポクロで洗浄しPaper Pointで根管を乾燥すると、
ペーパーポイントに出血は無かった。
その後、MB2を探す。当該部位を削除し、SXが入るスポットを見つけて、同部を短針でスカウティングし、SXが破折しないようなスペースを作成したものの、ファイル自体が根管へ進んでいかない。
そこで、私の友人が強く勧めたNi-Ti Fileで穿通を試みるが
(これを使用すれば誰でもどんな石灰化根管でも穿通できるそうだ)、
不器用な私では穿通ができないようだ。
なので, ここは石灰化で閉鎖していると諦めた。
根管充填だが、ふさわしいGutta Percha Pointをそれぞれ以下の動画ように試行錯誤し選択した。
P
MB
現代の歯内療法はGutta Percha Point試適との戦いである。
根充時にシーラーを入れるとさっきは入ったGutta Percha Pointが作業長まで入らないこと、つまり更なるサイズダウンが必要なこともあるので、いい絵を得ようと思えばここが踏ん張りどころだろう。
事実、このケースでは、
当該Gutta Percha Pointは、
Pは#60.02まで拡大して#40.04,
なんとMB1は同じく#60.02まで拡大して#35.04である。
なぜこうした誤差が出るか?は
Basic Course 2026
で説明済みである。
これらを1枚の表にすると以下のようになる。

術後にPA, CBCTを撮影した。


MB1

MB2

DB

P

P根はP側の壁に側枝があったようだ。
ここにもシーラーが入っている。
が、それはたまたまで意図的に狙ったものではないことは述べさせてもらおう。
今日は、非外科的歯内療法の術式について細かく解説した。
この患者さんの次回のRecallは半年後である。
またその模様をお伝えしたい。
