紹介患者さんの治療。

主訴は、

奥歯の神経の治療が必要だが、ほとんど口が開かない。治療可能ならお願いしたい。

である。

Pre-op Endo test(2026.7.8)

Sinus tractにGutta Percha PointをいれてPAを撮影すると、

その原因は根尖でなく、不良補綴物に向かっていることがわかる。

MB

MBは穿通が求められるであろう。

ML

MLも穿通が必要だ。

が、CBCTから既にMBがメインの根管形成がなされていることから自動的にメインはMB, サブがMLということになる。

D

Dは根尖病変がない。

いわゆる、

Selective Root Canal Re-Treatment

の考えに従えば、そこは扱う必要性さえない。

そして、文献的にもその成功率は高い。

Martins 2023 Outcome of selective root canal retreatment-A retrospective study

ほぼ口が開かないという主訴から、私はM根のみ選択的に再根管治療することにした。

Pre-op Endo Diagnosis(2026.7.8)

Pulp Dx: Previously treated

Periapical Dx: Chronic apical abscess

Recommended Tx: Re-RCT

☆この後、治療動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。

#18 Re-RCT(2026.7.24)

MBをメイン根管にするために、C-solutionを使用してGutta Percha Pointを除去して穿通させた。そのサイズはK#20だ。

MBメインに形成していった。

#25.Vが作業長にどれほど到達するか?でMAFが#40か#60か決まる。

この入り方から私はMAFを#60.02とした。

そして、HyFlex EDMの良いところは、

開口がままならなくても、Fileを曲げた状態で根管に挿入できる点だ。

そして、いつまで使えるか?という質問がセミナーや講演会でよくあるが、

曲げた状態で滅菌して元に戻れば、それは折れないということを意味する。

管理もしやすいFileであるということになる。

MBにGutta Percha Pointを入れて合流地点を確認し、以下のように形成した。

治療後にPA, CBCTを撮影した。

MB

ML

D

M根からシーラーパフが見てとれる。

このことは

M根管を完全にパッキングしているということの客観的な証明になり、これがなければアメリカでは下手くそ扱いされる。

が、

ここは架空の国、Japan

だ。

つくづく、正論が通じない国だと私はあらゆることに対して感じるがw

まあどうせそのうちみんな死ぬんだから何も言うことはない。

ということで、この患者さんには半年後、再度来ていただき経過を見ていくことにした。

またその模様をお伝えしたい。