過去の治療の経過観察。
治療から半年、1年が経過していた。
#30 Re-RCT 6M recall(2026.1.20)

臨床症状は消失していた。


MB

ML

D

Radix

半年前と比較した。

病変は明らかに縮小しているので最終補綴を依頼した。
ここからさらに 半年時間をおいて1年が経過した。
#30 Re-RCT 1yr recall(2026.7.15)

初診時の臨床症状が喪失していた。


MB

ML

D

Radix

初診時と比較した。

Radixの根尖部以外の根尖病変はほぼ消失した。
このケースから何が言えるか?といえば、
やはり、再根管治療は治癒まで行くのに時間がかかる
という臨床的事実である。
このことは、
Kvist 1999 Results of endodontic retreatment: a randomized clinical study comparing surgical and nonsurgical procedures

この文献によれば、
外科群は、感染源に対する治療 → 根尖病変の外科的除去 → 根尖切除を行っているので、X線的には比較的早く「healing」に入る。
一方、非外科的再根管治療では病変そのものを掻爬しているわけではなく、根管内感染をコントロールした後、生体による病変の修復を待つことになる。
したがって、
6–12か月:外科 ≫ 非外科
↓
24か月:差が縮小
↓
48か月:差なし
という上記グラフには生物学的な納得感がある。
が、48か月で差がなくなった理由の一部が
当時の外科治療の術式(2–3 mmの逆根管窩洞をsmall round burで形成→ gutta-perchaをクロロホルムまたは火炎で軟化→ 垂直加圧してretrograde sealで行う)
のlate failureだったことには注意が必要だろう。
むしろ現在この論文を引用するなら、
外科と非外科のどちらが優れているという根拠としてよりも、
評価時期によって治療成績の見え方が変わるという根拠として使うのが適切
だと思われる。
ということで、次回は3年後に見せていただくこととなった。
またその模様をお伝えしたい。