紹介患者さんの治療。
主訴は
右上の奥歯で噛むと痛い
であった。
歯内療法学的検査(2023.4.21)
#2 Cold+5/3, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)
#3 Cold N/A, Perc.(+), Palp.(-), BT(++), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
主訴が再現された。
適切な治療をすればマネージメント可能な可能性が高い。
PA(2023.4.21)
MB根の根尖部に根尖病変と思しき物が見られる。
が、PAでははっきりしたことはわからない。
となれば、やはりCBCTだ。
CBCT(2023.4.21)
MBの根尖部が怪しい。
MB2を発見できなかったことがこの疾患につながっている可能性はある。
が、
MB2を見つけてそこを形成・根充すれば痛みが取れるか?と言えばわからない。
しかも、紹介先の先生が既にラバーダム防湿をして根管治療を行っている歯である。
と言うことは、それだけでも外科一択と言えるだろう。
であれば、分析が必要である。
分析すると以下になる。
クラウンのマージンから10mm下にApexはある。
OsteotomyをしないとApexは出てこない。
どこにApexはあるだろうか?
と言えばMBの歯頚部よりもやや遠心にMBのApexはあるようだ。
そこから3mmで切断すると頬舌的に5.5mm切断することになる。
リンデマンバーの半分の長さだ。
この長さは問題があるような長さではない。
つまり、このApicoectomyはそれほど時間がかからないことがわかる。
そしてすぐ隣にDB根がある。
MB2はMB1のすぐそばにある。
歯内療法学的診断(2023.4.21)
#3
Pulp Dx: Previously treated
Periapical Dx: Symptomatic apical periodontitis
Recommended Tx: Apicoectomy
と言うことでこの日、Apicoectomyへ移行した。
☆この後、外科動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。
#3 Apicoectomy(2023.4.21)
ということで逆根管形成+逆根管充填を行った。
PAで確認した。
#3 Apicoectomy後 PA(2023.4.21)
と言うことで縫合して終了した。
問題のない処置である。
30分で終了した。
次回は1年後である。
またその際に治療前後の変化を皆さんにお届けしたい。