5/12の日曜日は、まつうら歯科医院でLocal Anestesia in Endodontics 2024が行われた。
参加者は4名。
実はこのセミナーは今年からやめたのだ。
理由は世の中とのギャップが大きいと感じたからである。
そんなこと知らなくてもやっていけるよ…という声が大きいと感じたからである。
が、非常勤の野間先生が、歯科医師の有志を集めてくれて、ぜひ開催を!ということでこの日に行われた。
夜の懇親会を意識して、なるべく麻痺が焼き鳥屋で少ないようなメニューにした。
(この意味わかりますか?w…深い!)
午前中にまず自己紹介、そしてこの手の話では定番のキシロカインvsスキャンドネストの話と実習を行った。
どちらが効果的だっただろうか?
また伝麻の方法について解説した。
伝達麻酔…
日本では注意しないと麻痺が出る!と騒がれている。
が、麻痺が起きる理由は何だっただろうか?それを避けるにはどうすればよかっただろうか?
伝達麻酔で視力障害…
なぜそんなことが起きただろうか?
その後、実際参加者には伝達麻酔を交互にしてもらい、歯槽骨麻酔の解説と実習に移った。
歯槽骨麻酔…日本ではその存在さえも知られていない麻酔方法であるが、アメリカでは麻酔が効かない患者にする麻酔として一目置かれている。
うちの歯科医院でもそれが登場する回数は年に1回くらいはある。
なぜだか麻酔が効きにくい人が世の中にはいるのだ。
もちろん、Dr.Zweigのように器具を買うのが勿体無い!と言う理由で独自の方法でしている人もいるが、
一般的なのはX-tipかStabidentを使用する方法である。
今回は、X-tipを使用して歯槽骨麻酔実習を行った。
骨穿孔の場所は一般的には患歯の遠心とされるが、穿孔させる部位によってはその後の注射が難しくなる時がある。
そこを意識して穿孔させなければならない。
こんなことを考えて臨床は…
まあしないだろう。
しかし、
歯内療法だけで開業すると必ず麻酔が効きにくいという患者さんが現れる。
そういう人に対しても専門医は対応しなければならない。
X-tipは針を歯槽骨に穿孔させることよりも、それを取り出す時の方が遥かに難しい。
その際のPointは何だっただろうか?
歯槽骨麻酔した。
この際に、何を使用すると患者さんに不快感を与えずらかっただろうか?
またそれを使用されなかった先生にはどういう症状が現れただろうか?
が、それは結局、どうなっただろうか?
以上を避ける際のポイントはどんな麻酔薬を選択することだっただろうか?
こんなこと…誰にも私は日本で教えてもらっていない。
全て、USC では学んだけども。
このグラフが上記の私の先生方への問いの答えだ。
よく復習しましょう。
この午前中の講義では、
何のためにこの世に存在しているのか?意味がわからなかった
“スキャンドネスト”
の存在意義がわかってもらえただろうか?
そう。
スキャンドネストは、そういうためにあるのです。
講義をよく復習しましょう。
この知識だけでも、
他院とうちは違う!
を大きくアピールできます。
歯科的な正しい知識は他院との差別化を図るためには必須の項目です。
世の中の人はほとんど何も知らないのだから。
昼休憩を挟み、午後からは麻酔の座学と実習を行った。
どれくらいの時間で麻酔は効くだろうか?そしてそれはどれくらい持つだろうか?
上顎、下顎、どちらが治療しやすいだろうか?
これが私の冒頭の、
夜の懇親会を意識して、なるべく麻痺が焼き鳥屋で少ないようなメニューにした。
につながるのだが、意味がわかっただろうか?
IONB, PSAの効果と手技は理解できただろうか?
これを午後から持ってきたのには理由があったがそれは何だっただろうか?
最後に下顎の麻酔を解説した。
下顎は基本的に伝達麻酔であるが、例外もあった。
どう言う場合が(歯が)例外になるだろうか?
また、麻痺についても解説した。
麻痺はなぜ起きるのだろうか?
そしてその回避方法はあっただろうか?
麻痺が出た場合の対応方法は何だっただろうか?
よく復習しましょう。
最後に、急化Pul, 急化Perに対する対応を解説した。
大事なことは対応方法よりも予防法であると言うこと
と、
特に急化Perの際は何も効果を持たない(嵐が通り過ぎるのを待つ)
と言うことが理解できただろうか?
大事なのは、原則を遵守した治療です。
“価値”は想像できません。
決められたルールを遵守することが重要です。
なぜか?
歯科医院に行きたい!なんて人間はこの世にいないのだから。
クリニックは問題があった時にそれを解決・チェックするために行く場所です。
定期的に通院して虫歯や歯周病が予防できるわけがありません。
全ては日常生活と良心的な?歯科医師の治療結果に反映されます。
全てのものは壊れるのです。壊れないものは何もありません。
そんなこと考えれば、“当たり前” のことですけどね。
これで、1日でこの分野のコンプリートである。
今後はそういう患者さんが来ても、対応できるでしょう。
ということで、懇親会を行い解散した。
今日の事柄をよく復習し、日常臨床に生かしてください。
1日、お疲れ様でした。