紹介患者さんの治療。

主訴は、

以前根管治療した歯の歯茎が腫れて痛い…

である。

☆この後、検査動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。

歯内療法学的検査(2024.9.2)

PA(2024.9.2)

祖な根管形成と根管充填だ。

これであれば、再根管治療で問題を修正できる

かも

しれない。

なぜ、かもなのか?といえば、

根管再形成するまでそれに意味があるのか?ないのか?は判別できないからだ。

もしそれに意味がなければ…治療の成功率は40%程度だろう。

意味があれば、90%だ。

CBCT(2024.9.2)

根尖部には大きな病変がある。

これが、Palp.(+)の原因だろう。

画像構成すると、

このようになる。

これが、圧痛とSinus tract形成に寄与している。

またこの歯だが、

穿孔?も存在しているような感じだ。

穿孔はあれば封鎖をしなければならない。

が、今は便利な時代で

ペントロンのパテで封鎖すれば速攻で固まる

けれども。

BC puttyが不要になった

のだ。

歯内療法学的診断(2024.9.2)

Pulp Dx: Previously treated

Periapical Dx: Chronic apical abscess

Recommended Tx: Re-RCT

ということで推奨される治療は、再根管治療である。

それは、

再形成に意味がある可能性があるから

だ。

だが、術前からそれは予測がつきにくい。実際治療しなければわからないからだ。

が、

それが奏功しなければ、Apicoectomyだ。

その点では、単純な話と言える。

同日、再根管治療へ移行した。

☆この後、治療動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。


#9 Re-RCT(2024.9.2)

K Fileの#30で穿通した。

その後、HyFlex EDM #25.Vを挿入するが…

Reference Pointまで無抵抗で挿入されてしまう。

これが意味することは、

#25.Vで形成ができない

ということである。

番手を#40.04に上げた。

これも無抵抗てReference Pointまで入っていく。

これが意味することは、

#40.04で形成ができない

ということである。

番手を次の(本当は#50.03であるが、私はそれを使用しない。理由は、Basic Course 2025でお話しします。)

#60.02

にアップした。

#60.02で形成ができなかった。

ということは、

HyFlex EDMで根尖部のサイズアップは不可能である

ということがわかる。

そうなれば、あとはテーパーを上げるしかできることがない。

ProTaper Gold F5で形成を試みた。

F5 でも形成が不可能であった。。。

ということは、

再根管形成が不可能であるという臨床的事実だ。

これで根尖病変が治癒するだろうか?

といえば、それは神様しかわからない。

理由は以下だ。

ただ何もしないわけには行かないので、

ヒポクロを根管内部に入れて超音波洗浄した。

いわゆる、

PUI(Passive Ultrasonic Irrigation)

というやつだ。

が、実際は絶対にPassiveにはできないけれど。

さておき、これで問題は解決するだろうか?

それは、誰にもわからない。

理由は前述の通りだからだ。

以上の工程を一覧表にすると以下のようになる。

BCシーラーで根充し、パテで封鎖し、レジンで築造した。

術後にPA, CBCTを撮影した。

次回は1年後である。

またその模様をお伝えしたい。