紹介患者さんの治療。

主訴は、

かぶせた歯の歯茎が痛い。物が噛めない…

である。

歯内療法学的検査(2025.5.7)

#29 Cold+1/4, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

#30 Cold N/A, Perc.(+), Palp.(-), BT(+), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

#31 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

#30に咬合痛があるようだ。

PA(2025.5.7)

Radixの根管口部を大きく削除してある。

これでは…Vertical Root Fractureを惹起してしまう。

CBCT(2025.5.7)

M

D

Radix Entomolaris

これは、水平性に歯根が破折している可能性が高いだろう。

歯内療法は、根尖病変を治癒させることは可能だが、折れてしまった歯根を再生させることはできない。

この点からもこの歯牙に推奨される治療は、抜歯またはRadixのみの抜根である。

が、そうした治療を私は行っていないし、歯周病専門医の治療の範疇であるので、近隣の歯周病専門医にそうした処置が可能であれば行っていただくように連絡した。

歯内療法学的診断(2025.5.7)

Pulp Dx: Previously treated

Periapical Dx: Symptomatic apical periodontitis

Recommended Tx: Ext/ Trisection

さてこのケースから何が言えるか?だが、

根管口部を大きく削除するとこうした問題が起きてしまうという臨床的事実だ。

この部分の根管治療でのアプローチは通常、ProTaper SXのみが許容される。

歯内療法の基本がわからない人間が治療したのか、何なのか?は私はわからないが、

歯牙を長期的に保存しようと思えばこうした処置は禁忌である

と、臨床家の先生は覚えておきましょう。