週末、博多駅近郊某所でマイクロサージェリーマンツーマンコースが行われた。
この日の受講者は1名で勉強熱心な先生であった。
しかも私の昔の知り合いである。
その時に比べて、自信に満ちていたと思う。
顔も態度もあの時のものではなかった。
地位が人を作るのだな、と納得させられた。
Submerginal flapがこの先生のお気に入りだそうだったので、それについて詳しく説明した。(私の経験上、日本人で初めてのSubmerginal flap愛好家であった。)
が、馬の耳に念仏だっただろう。
(以下、外科画像が出てくるのでそうしたものを見たくない方はSkipすることを勧める。)
しかし、それができない場合がある。
どのような場合ができない場合か?把握しなければならない。
下の写真がその状況を物語っている。
また、大臼歯にイスムスはつきものである。
どれくらいの確率であっただろうか?
ということは、無いように見えた場合それは本当にないのか?それともあなたの目が節穴だろうか?
ここが重要である。
また、Apicoectomyが理想的に事実上できない場合、どのように対応するか?その解決方法は模索できただろうか?
ここが臨床力である。
アメリカの歯科臨床がすごいのはこのような臨床上の困難とそれをどうすれば解決できるのか?が論文の中で述べられている部分だ。
だから歴史が途絶えない。
日本にはそれがない。
俺の経験を聞け!で終わってしまう。
あなたの経験を私は享受できない。
人に伝わるようにしかも、それがエビデンスベースドだとさらに納得性が増すのだが。
また、掻爬は常に骨がカリカリと音がするまでしなければならなかっただろうか?
ここでもアメリカと日本の歯科臨床力の差を垣間見させる出来事である。
もはやこれは大人と子供以下だろう。
またただ単に根切しただけではApicoectomyは成功しない。
臨床的な研究はあなたに何をもたらしただろうか?
そしてこの日は歯科業者の方にも、新しい?逆根管充填の方法であるLid techniqueに関して講義を聞いていただいた。
世の中は、常に簡単なものだけが生き残る。
きっとこの業界の未来は変わるだろう。
そして最後に新しいApicoectomyの術式をまとめた。
このように時間が時代が1つの治療の内容を目まぐるしく変えて行くのだ。
なので、時代について行かなければならない。
時代に取り残された者は、置いて行かれる。
時代という列車はあなたを待ってくれない。
そして週末日曜日の今日はApicoectomyの実習であった。
まず、Intentional Replantationを行ってもらいイスムスをどう処理するか?などの要点を指導した。
その後、作成した模型を土台に装着しApicoectomyの実習を行った。
普通石膏で模型を作成しているので、PAで撮影して逆根管充填の模様を確かめることができる。
以下のように問題のない内容であった。
彼はすぐに他人を教えることができるようになるだろう。
あとは経験だけである。
最後に今後のポイント、技術的な修正必要点についてアドバイスして今回のマンツーマンコースは終了した。
このセミナーをしていると、日本の歯科医療の現状とは違う世界が繰り広げられるので何か違和感を感じざるを得ないが、このように日本の歯科医療を支えて行くべき人材は育っているということもわかり今日は嬉しい1日だった。
今日来られた先生は、今後も練習を積んで頑張って欲しい。
そして、世の中から求められる人間になってください。
あなたならきっとできるでしょう。
2日間、お疲れ様でした。