紹介患者さんの治療とその経過観察。

主訴は、

他院で根管治療を行ったが2ヶ月も治療にかかった…補綴を全てセラミックに変えた方がいいと言われたが。。。

である。

歯内療法学的検査(2025.2.20)

Sinus tractができている。

長期的な感染の証左だ。

PA(2025.2.20)

メタルポストコアの先にはあるべき根管充填材がない。

恐らく…ポストコア形成で抜けたのだろう。

それでは…感染が増大する。

こういう場合はどういうふうに根管充填材を処理するか?あなたは知っているだろうか?

これもBasic Courseで扱う内容だ。

CBCT(2025.2.20)

圧痛が出るのも頷けるような状態である。

歯内療法学的診断(2025.2.20)

Pulp Dx: Previously initiated therapy

Periapaical Dx: Chronic apical abscess

Recommended Tx: Apicoectomy

推奨される治療はApicoectomy一択だ。

その際は、通常はApexから3mmで切断するが、

3mmで切断するとメタルポストコアにHitするので、まず外科の前にポストコアを除去し、それから外科を行うことになった。

その際は、

のように設定すればGutta Percha Pointのモサモサが逆根管形成の際になくて済む。

したがってまずはこのメタルポストコアを除去していくのだが、

パラレルで長いポストコアなので除去には時間を要すだろう。

ということでこの日はまず、除冠し、除ポストコアを行った。

☆この後、治療動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。

#13 Core build up with Fiber Post(2025.2.20)

除去に25分も要してしまった。

が、術前にそれは予測済みで術前に患者さんにもお話ししているのでなんでこんなにかかるんだよ💢とはならない。

これも開業術だろう。

この後、築造した。

その際は外科時に煩雑にならないようにしなければならない。

この際のKeyは以下だ。

このGutta Percha Pointの残渣がKeyである。

この上部にBC Puttyを置き、その上に支台築造した。

すると、Apicoectomy時にBC Puttyを形成するだけで済む。

時短になるのである。

BC Putttyは固まるのか?って?

それをいうならレジンは象牙質にくっつくのか?という質問と同意だろう。瑣末なことである。

このGutta Percha Pointをメルクマークに以下のように築造した。

術後にPAを撮影した。

この日はここまでである。

別日にApicoectomyが行われた。

#13 Apicoectomy(2025.3.4)

Apexを見つけたので3mmで切断した。

逆根管形成し、逆根管充填した。

PA, CBCTを撮影した。

問題はないだろう。

縫合して終了した。

ここから半年が経過した。

#13 Apicoectomy 6M recall(2025.9.2)

Sinus tractは消失していた。

初診時と比較した。

劇的に問題が解決していることがわかる。

かかりつけ医の先生には最終補綴を依頼した。

次回はさらに半年後の1年後だ。

またその模様をお伝えしたい。