紹介患者さんの治療。

主訴は、

オールセラミックで被せた歯が痛む時がある…

である。

かかりつけ医の先生からは、

#8,9の再・外科治療(歯根端切除術=Apicoectomy)の依頼を受けた。

歯内療法学的検査(2025.9.16)

#7 Cold+1/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL), Sinus tract(+)

#8 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL), Sinus tract(+)

#9 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL), Sinus tract(+)

主訴は依頼された#8,9だが、臨床症状がない。

PA(2025.9.16)

#8,9はApicoectomyした形跡はあるが、ここが不完全なのだろう。

OPG(2025.9.16)

#8,9以外に根管治療した歯がない。

CBCT(2025.9.16)

#8

#9

B

根尖部がすでに大きく拡大されており、その修正は不可能である。

以上のことから、紹介通りにApicoectomyへ移行するのだが、

#8はクラウンのマージンから11mm下方にApexがあり、そこをさらに3mm切断するには頬舌的に6.6mm切断する必要がある。

#9は、

クラウンのマージンから10mm下方にApexがありそこをさらに3mm切断するには5.7mm切ればいい。

これもそれほど難しい手術ではない。

1回目に3mmすでに切断している?ことからトータル6mmのApicoectomyになるが術前に歯牙に動揺がないので新たに3mm切っても動揺が出ることはないだろう。

術前に3mm切断がすでにしてあれば合計で6mm切断することになるので、

De Deus 1975 Frequency, location, and direction of the lateral, secondary, and accessory canals

治療前よりも多くの側枝を削減させることができる。

一つ懸念点があるとすれば、根管口部がすでに太く形成されているという点だ。

これは歯牙の長期保存にとってはマイナスである。

が、それは時間が経過しないとわからない。

ということで特に何の問題もないRe-Apicoectomyである。

歯内療法学的診断(2025.9.16)

Pulp Dx: Previously treated

Periapical Dx: Asymptomatic apical periodontitis

Recommended Tx: Re-Apicoectomy

同日に治療へ移行した。

☆この後、外科動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。


#8,9 Apicoectomy(2025.9.16)

Submarginal FlapでOpeを行うため切開線のLineを外科ペンで記入した。

切開し、#8よりApicoectomyを始めていく。

#8のApexを切断した。

#8を逆根管形成、逆根管充填した。

次が#9である。

術後にPA, CBCTを撮影した。

#8 

#9

B

縫合して終了した。

次回は1年後である。

またその模様をお伝えしたい。