紹介患者さんの治療とその経過観察。
主訴は、
左下奥歯が急に痛くなり、物を噛めないときがあった。今は違和感が残っている。
である。
Pre-op Endo Test(2025.6.2)



M根の根尖に病変?のような透過像が見える。
CBCTも撮影した。
MB

ML

D

Radix

根尖病変があるMLがその原因と考え、同日再根管治療をMLのみに行うことになった。
Pre-op Endo Dx(2025.6.2)
Pulp Dx: Previously treated
Periapical Dx: Symptomatic apical periodontitis
Recommended Tx: Re-RCT, Selective@ML
☆この後、治療動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。
#19 Re-RCT, Selective@ML(2025.6.2)
除冠・除コアし、窩洞内部をCheckする。

私は問題ないと判断し、MLのみを再根管形成するが…
全てのFileが作業長まで全て根管に抵抗感なくハマり、ヒポクロを置いて超音波洗浄するしかこの状況を改善できる方法がない。
これで治癒するか?は不明だが、治癒しなければApicoectomyだ。
作業内容は以下になる。

術後にPA, CBCTを撮影した。



この緑部分の形成だけで患者の主訴が改善するのだろうか?
ML

ここから1年が経過した。
Post-op 1yr recall(2026.6.2)

術前の違和感が消失している。


MB

ML

D

Radix

病変がわずかにあったMLの根尖部の病変は消失し骨に変わっている。
扱っていない、MB,D,Radixの根尖部に病変はできていない。
MLを初診時と比較した。

ML根尖部の病変は消失している。
MB,D,Radixに病変はできていない。
Selectiveな再根管治療がまたも正当化されている。ほぼ再根管形成が1年前にできなかったのに、だ。
なぜ、こうしたことが起きるのか?
その理由は以下の文献が示す通りである。
Siqueria 2008 Clinical implications and microbiology of bacterial persistence after treatment procedures

臨床症状もないことからかかりつけ医の先生には最終補綴を依頼した。
以上のことからこの日で終診とさせていただいた。
長い間、お疲れ様でした。