今週末、博多駅近郊会議室でAdvanced Course 2021 第6回が行われた。

今回のテーマは小児の歯内療法。

USCでは乳歯を歯内療法することはなかったが(幼弱永久歯は普通に治療した)、小児の歯内療法に関して学ぶ機会はかなりあった。

思い出は、何といっても、週一度の生贄時間である

“PEDO LOTATION”

であろう。

PEDO LOTATIONとは大学院生が順番に週1回づつ子供の治療を請け負わされる。

私も色々なPEDOと接してきたが、大体がこっちが泣きたくなるような厳しい症例ばかりだった。

最近もとある先生からPEDO患者を紹介されたが治療中ずっと堪えて泣いていたその少女の治療の様子は治療に目処がついたらこのブログでも紹介しようと思う。

ということで、テーマの小児の歯内療法に関して講義が行われた。

話の進め方としては、某教科書を参考にして講義を進めることになった。

が、この話は以前、イブニングセミナーで話したものをベースにしている。

しかし、あの当時私はこんなことをネタにして話していたのか…

あの授業料で??

安物買いの銭失いである…

極めて自分が情けない。

そして安売りしすぎていたのだ。

この内容をあの低価格で…

もう2度とやることはないだろう。

https://link.springer.com/book/10.1007/978-3-319-27553-6

ということで

その当時の内容をブラッシュアップして、講義を行なっていった。

まず乳歯の形態から入っていった。

どのような形態をしているか?を把握しなければRCTを行うことはできないからだ。

それから乳歯の根尖病変の特徴でもある、

どこにでも見られる、特に分岐部病変においては

という話を行った。

例を挙げた。

以前の歯科医院にきた小児患者である。

どのように治療を行うか?といえば、作業長を測定する。

Root ZXで?それは大人であれば、だ。

子供であればどうするか?と言えば、PA上でその長さを求めることになる。

そしてこの長さよりも〜で根管形成・根管充填を行う。

さあこの時、根尖部や側枝から多くの根管充填剤が流れ出ているがこれは後続永久歯の萌出やその性質に影響を与えただろうか?それとも与えなかっただろうか?

そうした話がこの日の最大のテーマだったと言える。

また根管洗浄剤の話をした。

どの根管洗浄剤が乳歯の歯内療法に置いてベストであっただろうか?

NaOClか?CHXか??はたまた生食か???

そして根管充填はどのような材料で、どのように根管充填すれば良かっただろうか?

最良の根管充填材はあっただろうか?

根管充填が終了したらば、PAを撮影する。

しかしその撮影にはさまざまな特徴が見られることがある。

特に以下のように後続永久歯に根管充填材が触れた場合、術者はパニクる可能性がある。

この根尖からはみ出た根管充填材が原因でうちの息子の歯が着色した!とか、弱く脆い状態で萌出してしまった!とかいうことはあっただろうか?

また、エナメル質形成不全や歯牙の萌出位置異常はよろしくない根管治療が原因で起こるだろうか?

多くの乳歯の過去を振り返った論文ではどのような結論がこれに関しては出ていただろうか?

こうした知識を頭の中に入れることで、あなたは無用なトラブルを避けることができる。

治療して、お前のせいだ!などと親から罵られることはもう明日からなくなるだろう。

真実を知ることは治療効率やそのスピードを早めることになる。

最後に症例を提示して終了した。

私の息子の同級生(NZ人)の治療である。

上記を説明して講義は終了した。

予定よりも2時間も早く終わってしまった…

今回の私の結論としては、

来年度からこの講義の件に関しては前回のテーマと合体させて行う

ことにした。

話の内容が軽いからだ。

スライドは250枚近くあったが終わった時間がいつもよりかなり早いことがそれを証明している。

反省点であった。

次回は、2021.12.12 博多近代ビル会議室 105号室で行われる。

9:30〜入室可能である。

次回はApicoectomyの実習である。

模型などをこちらで作成して、当日皆さんに手渡しますのでよろしくお願いいたします。

1日お疲れ様でした。