過日もブログに書きましたが、
まつうら歯科医院 歯内療法専門室がようやく始動です。
全ての患者さんの経過観察を博多駅前3丁目の当歯科医院で行えるようになりました。
記念すべきその第1号の患者さんは、50代男性。
昔、私がGPの時に全顎治療していた患者さんである。
九州の某国立大学の先生で理論的な患者さんであった。
話を聞くと二人のあの女の子のお子さんはすでに高校生、中学生になったそうだ。
私はお子さんが幼稚園の時の時代しか知らない。
今や浦島太郎状態である…
HDを調べると、2007.8.28の口腔内写真が残っていた。
2007.8.28といえば、私が最後に就職した歯科医院(小児歯科)で働いていた時である。
その時の患者さんだ。
とにかく、歯並びが悪い患者さんであった。
この歯科医院には矯正を担当する歯科医師がいて、その先生に矯正をしていただいた。
またこの患者さんは、
私が人生の最後に、まつうら精密歯科医院でインプラントをした(左上犬歯に)患者さんである。
臼歯部にも私はインプラントをしていたが、そこは破折したそうだ。
新しい、かかりつけ医(北欧歯科 博多院)でやりかえるという。
いいかかりつけ医がいてよかった。
インプラントの予後など私には見れないからである。
本当に加藤 雄大先生には感謝している。
ありがとうございます。
それはさておき、この患者さんの外科治療を私は行っていた。2018.1.12である。
この歯科医院からの紹介であった。
約4年前の記録が残っていた。
その時の主訴は、
#13に違和感がずっと(私がインプラントを埋入した時から)ある
であった。
歯内療法学的診断である。
#12 Perc.(+), Palp.(+), BT(+), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)
#13 Perc.(+), Palp.(+), BT(+), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)
#14 Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
PAである。
#13は根尖部が破壊されているので、MTAで根充していた。
が、治療がうまくいっていないようである。
日本には、MTA信者が多かった(今も多い?)。
MTA で根充すれば何でも治ると思っている浅はかな方達が多数いた。
今はいるのだろうか?はわからないが、
MTAが抗菌効果があり細菌を排除してくれるという論文を見たことがない。
しかも、今はBC sealer もあるのだ。
BC sealer を入れてGutta Percha Pointを調整すれば、MTA根充と何も変わらない。
なので、私はなんでそんな面倒なことをみんなするのか?不思議でしょうがない。
しかも、MTA 根充は保険適応外である。
つまり自由診療だ。
そんなことで小銭を稼いでどうするの?と言いたい。
頭を切り替えるべきだろう。
さて、この時は外科の可能性があるのでCBCTを撮影していただいた。
それが以下になる。
#12
#13
歯内療法学的診断は#12,#13ともに以下になる。
Pulp Dx:Previously treated
Periapical Dx:Symptomatic apical periodontitis
Recommended Tx: Apicoectomy
歯内療法はすでに行っているので、痛みがある#12,#13には歯内療法の最後の切り札であるApicoectomyを行うことにした。
2018.1.12に行っている。
ここから時間が約4年経過した。
痛みなどは全くなく、破損した下顎臼歯部のインプラントをやりかえるという。
PAは以下である。
以下、患者さんの感想。
全く問題なく過ごしています。
外科治療をして本当によかったです。
私は先生と出会って歯科治療に対する考え方が変わりました。
今でも大変感謝しています。
そして、こうした治療が保険診療では不可能であるということを多くの人が理解する必要があるということも重要でしょう。
今は、家族で北欧歯科に通っています。
今後、問題があれば家族の治療もよろしくお願いいたします。
インプラントは壊れ、歯根端切除術もしなければならなくなった患者さんがこのように私に感謝してくれる。
こうした側面をあなたは経験したことがあるだろうか?
信頼があれば歯科医療はこのようにして成立するのだ。
しかし、
そうした医療行為は保険診療では不可能であるということも同時に伝えなければならないだろう。
若い歯科医師の皆さん。
信念をもって歯科医療に取り組みましょう。
我々は便利屋ではなく、歯科医師です。
立派なプロフェッションなのです。
藤本順平先生の言葉を思い出しましょう。
そんなあなたにはきっと、いい未来があるでしょう。
ともに頑張りましょう。