50代女性。
2017.11.18にApicoectomyを行なっている。
それから約4年が経過した。
この日はその経過観察であった。
当時の主訴は以下になる。
前歯の歯茎から化膿した。
25年前に被せている。その時RCTをしたのかどうかは覚えていない。
2017.9.22にその歯にできもの(Sinus tract)ができていることに気づく。それまでに違和感があった。
痛みは過去10/10だが今は2/10。歯茎を触れると痛いが、抗生物質で抑えている。
歯内療法学的検査は以下になる。
#8 Cold+3/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#9 Cold N/A, Perc.(+), Palp.(+), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL), Sinus tract(+)
#10 Cold+2/3, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
PAは以下になる。
疎な根管充填と根尖病変というおまけが#9にはついている。
Sinus tractと根尖部が交通している。
歯内療法学的診断は以下になる。
Pulp Dx: Previously treated
Periapical Dx: Chronic apical abscess
これは外して再根管治療を行うか?Apicoectomyを行うか?
どちらかである。
また、当時、他院でCBCTを撮影してもらっていた。
クラウンのマージンからApexまで6.0mmしかない。
3mm切断するとメタルコアを形成しなくてはならなくなる。
Apicoectomyには治療に制限が加わることを説明し、再根管治療するか?Apicoectomyするか?を選んでもらったが、
①せっかく被せて長持ちしているいる冠(当時で25年経過)を外したくない
②単回で終わる治療希望
ということから、Apicoectomyを選択することになった。
しかし、理想的に3mmは切断したいがそれが不可能である。
さあこのような時にはどうすればいいだろうか?
根切後の封鎖性を高めるため
細菌を少しでも減らしたいがために
ゼロベベルで切断して逆根管充填の量を稼ぐことにした。
治療後は以下のようになる。
バーの回転をゆるくし、90°で切断し、なるべく深く逆根管形成した。
術後4ヶ月後(2018.3.17)
術後1年経過(2018.11.17)
さてここから時間が経過し、術後約4年が経過している。(2021.12.11)
歯内療法学的検査は以下になる。
#8 Cold+5/1, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#9 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL), Sinus tract(-)
#10 Cold+5/1, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
4年前に、Perc.(+), Palp.(+)であったが、外科後にはPerc.(-), Palp.(-)になっていた。Sinus tractも消失している。
PAは以下になる。
Sinus tractはないが、Sinus tract痕はある。
口腔内写真を撮影した。
以下のようである。
Palp.は陰性であった。
次回はこの患者さんにもなるべくCBCTを撮影していただきたいというこちらの意向を伝えた。
どれくらい治っているか?を知りたいからである。
ということでこの日の経過観察も幕を閉じたのだった。