昨日の投稿の続編。
患者さんは#30の根管治療を2017.8.4に終わっているが、その後も違和感があるという。
歯内療法学的検査を行うと#30は
Perc.(+), BT.(+)
であった。
Symptomatic apical periodontitis
である。
PAを撮影した。
RCT後, 5yr Recall(2022.1.12)
根尖部に透過像があるように見える特徴的なPAである。
私はCBCTをかかりつけ医に撮影してもらうことにして、この部分に何が起きているか?検証することにした。
#30 RCT後 5yr Recall CBCT撮影(2022.9.14)
近心根
根尖病変が確認できる。
Perc.(+), BT.(+)
の原因はこれだったのだ…
遠心根
遠心根にも根尖病変が確認できる。
Perc.(+), BT.(+)
の原因はこれでもあったのだ…
ということで#30の近心、遠心ともにApicoectomyを行うことになった。
#30 Apicoectomy(2022.3.3)
ここから半年が経過した。
6M Recall #30 Apicoectomy(2022.9.14)
PA
Apicoectomyした部位には時間の経過(6M)とともに歯槽骨が添加しているように見える。
紹介してくれた歯科医師にCBCTを撮影していただいいた。
#30 Apicoectomy 6M Recall CBCT(2022.9.14)
近心根
近心根の根尖部には多くの歯槽骨の添加が見られる。
ただ、患者さんは痛いと言わないまでも近心根の根尖部に違和感を感じているので現段階では良かったですね!とは言えない。
が、時間経過とともに骨添加があれば、この不快感が改善される余地は十二分にあるだろう。
遠心根
遠心根は根尖部の皮質骨が回復しているように見える。
Palp.に対して#30の遠心は反応がないことがこの部位の治りの速さを示している。
ということで術前vs術後を比較してみた。
近心も遠心もだいぶ根尖部に歯槽骨が添加している。
今の所順調であるといえる。
次回はさらに半年後(術後1yr)の来年3月にCBCTを撮影予定である。
それまで少々お待ちください。
<追記>
麻酔が効きにくい患者さんの外科治療であったが、外科治療時も麻酔がやや効きにくかった。
それとも私の伝達麻酔が悪いのか?それはわからないが、
麻酔が効きにくいと外科治療時も効きづらい傾向があることがわかった
というのはご報告しておきたい。
術前にロキソニンなどのNSAIDsを投与すべきだろう。
以上、追記でした。