紹介患者さんの治療。

初診日は2017.7.19。

主訴は

歯が痛くて痛くてどうしようもない

という。

歯内療法学的検査は以下になる。

#29 Cold+3/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

#30 Cold++1/20, Perc.(+), Palp.(-), BT(+), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

#31 Cold+5/4, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

PAは以下になる。

診断は以下になる。

#30

Pulp Dx: Symptomatic apical periodontitis(もしくは病名にはないが、Partial Pulp Necrosis?)

Periapical Dx: Symptomatic apical periodontitis

Recommended Tx: RCT+Core build up


実はこの方には全く麻酔が効かなかった。

初回は治療自体を諦めて、2日目から治療をおこなった。

麻酔のプロトコールは以下の教科書に掲載されている。

Successful Local Anesthesia for Restorative Dentistry and Endodontics: Second Edition (English Edition)

しかしそれでも効かなかった。

そこで私は様々な麻酔を効かせるために有効だと言われている方法を採用した。

特に術前のNSAIDsの投与、笑気の投与、からの伝達麻酔からの

Intra-Osseous Anestesia

は有効であった。

X-Tip

は実に重要である。

これ無しで麻酔を効かせることはなかなか難しい。

このように歯科的に重要な情報というのは大概、海外のサイトにあることが多いのである。

そして日本では全く販売していない。

またこの時、スキャンドネストを使用すると心臓のドキドキを抑えることができることはほとんどの人が知らない事実だろう。

これは年1回開催される麻酔のハンズオンコースで受講生にしてもらうことになっている。


ということで1回法で根管充填できた。

治療内容は以下である。

RCT+Core build up(2017.8.4)

まだこの時代はDentsplyのProTaper Goldを使用していた時代だ。


約1年経過して最終修復が装着された。

1yr later recall(2018.7.17)

この時も、違和感があるというような話を患者さんはされていた。

しかし、CBCTを撮影していなかった。

外科になる可能性がないからである。

この後私は脳出血で倒れて患者さんを見れなくなるが、再度見る機会を得てこの患者さんのCheckをした。


RCT後, 5yr Recall(2022.1.12)

この時、歯内療法学的検査を行うと#30は

Perc.(+), Palp.(+)

であった。

Symptomatic apical periodontitis

である。

そしてこの根尖部の透過像的なPAである。

私はCBCTをかかりつけ医に撮影してもらうことにして、この部分に何が起きているか?検証することにした。

その続きは次回に。