バイト先での治療。

主訴は

咬合痛

であった。

歯内療法学的診断は以下になる。

#12 Cold+2/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

#13 Cold NR/20, Perc.(+), Palp.(-), BT(++), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

#14 Cold+5/1, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

検査で主訴が再現できている。歯内療法がうまくいけば主訴が改善できそうである。

PAは以下である。(2021.7.24)

CBCTは以下になる。

湾曲部でファイルが破折している。

これを取らなければ根尖部の根管形成はできない。

Apicoectomyを行うのであれば#12を削らないように注意しなければならない。

口蓋側は既に大きく形成されているようである。

頬側は破折ファイルが邪魔で形成ができないでいる。

歯内療法学的診断は以下になる。

#13

Pulp Dx: Previously Treated

Periapical Dx: Symptomatic apical periodontitis

Recommended Tx: Apicoectomy

治療方法はApicoectomyとした。

私には、根尖部のファイルをちまちまと摘出するよりも、外科治療で切った方がはるかに早く(30分程度で)除去が可能だからだ。

しかもApicoectomyをするとなれば、患者さんは閉口状態で楽に治療が受けられる。

開口がままならないという主訴もあるこの患者さんにはぴったりの治療方法であろう。

ということで患者さんは治療計画に同意し、Apicoectomyが行われた。


#13 Apicoectomy(2021.8.24)

☆ここから外科治療の画像・動画が出てきます。気分が悪くなる方はSkipしてください。

まずApicoectomyを行った。

#13の近心(下の動画の根尖部の右側)は削除しないように注意しなければならない。


その後、逆根管形成を行った。

#13 Apicoectomy② Retroprep(2021.8.24)


逆根管充填をLid Techniqueで行った。

#13 Apicoectomy③ Retrofill(2021.8.24)


逆根管充填後にPAを撮影した。

ここから1年2ヶ月時間が経過した。

#13 Apicoectomy後 1.2yr recall(2022.10.25)

この後、CBCTも撮影した。

#13 Apicoectomy後 1.2yr recall CBCT(2022.10.25)

1年経過しComplete healingと言っていい状態だろう。

比較は以下になる。

ということで1年の経過観察が終了した。

次回はさらに1年後である。

また報告したい。