バイト先での経過観察。
と言ってもかつての当歯科医院の患者であった。
患者は50代女性。
他院からの紹介患者で、前歯を残したいが主訴であった。
Tek下のコアは仮封=キャビトンの状態であった。
歯内療法学的検査は以下のようになる。
#6:Cold+3/4, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)
#7:Perc.(+), Palp.(+), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)
#8:Perc.(+), Palp.(+), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)
Pulp Dx: #7,8 Previously treated
Periapical Dx: #7,8 Symptomatic apical periodontitis
Recommended Tx: #7,8 Apicoectomy
Apicoectomyはいいが#8は既に歯根が吸収されている。したがってここからさらに長く切断すると歯冠歯根比が悪くなり歯牙に動揺が出る可能性がある。
さてあまり歯根を切断できないときはどうすればいいだろうか?
したがって作戦としては、わざとベベルをつけて切断しこのベベルの最歯冠側よりも深く逆根管形成を行なうことにした。
患者さんの都合の問題で外科治療後に支台築造処置することになった。
したがって治療計画は、
#7,8 Apicoectomy→Core build up
である。
2018.9.11にApicoectomyを行なった。
2018.10.16に支台築造を行なった。
2018.12.14にrecallした。
最後にrecallしたのは2019.3.12であった。
さてここから1年9ヶ月経過してこの患者さんはどうなっただろうか?
右上1,2ともに今は以下のような状態である。
#7:Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)
#8:Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)
#7,8の根尖病変があった部分には歯槽骨がしっかり沈着している。
この患者さんは問題を解決したのだ。
この患者さんは紹介元が私の歯科医院への受診を強く勧めたために私の以前の歯科医院に来てくれた。
しかし何も知らなかったら抜いてインプラントしただろうと仰っていた。
しかしながら、
どうしても歯を保存できないかと強く望み、Apicoectomyを受けて、今日のこのリコールの結果となった。
この患者さんと話したとき、
“こう言う治療方法があると言うことを知らなかった。先生に会うまで私は諦めていましたが紹介元のいうことを聞いて本当によかったと思います。このような出来事は奇跡ではなくて通常起こりうることであるということを多くの患者さんに知ってほしいと思います。どんどんホームページに使用してください。”
と語っていた。
私と話をすると様々なリアクションをする患者さんがいる。
信頼できるのか?という疑念。
今度は信じてみようという期待。
しかしここに来るまでに既に多くの歯科での失敗体験があるのでなかなか私のことを信用しようという人はいないだろう。
が、このホームページのブログには私を信じた人が得られた良い結果しか載っていない。
もちろんうまくいかないこともあるし、そのような場合の対応方法も掲載する予定である。
しかしながらなぜそれほど失敗した症例が載っていないのだろうか?
それは外科治療の成功率が90%だからだ。
この嘘のような本当の話を実体験として体験してみるか?みないかは?あなた次第であるが、この問題で悩む患者さんの悩み解決に必ず役に立つ医療を提供していると私は胸を張って言えることができる。