週末日曜日はまつうら歯科医院でAdvanced Course 2022 第7回が行われた。
今回も前回と同じようにCase Reportを提示し、それから#15 Intentional Replantationのライブオペ、CBCT分析の仕方等を行った。
Caseに関してはこのブログに提示していない症例も発表した。
これに関しては後日考察を含めて提示する。
この日のテーマは以下のようになる。
4以外はすでにこのHPで提示したものである。
それぞれを題名を入れて検索すれば当該ページへ飛ぶのでそちらの記事をみていただきたい。
特に4はトリッキーな治療で普通はしない案件である。
結果が出るのに少し時間がかかるので結果が出れば良くも悪くもこのページで公開したい。
その後、#15 Intentional Replantationのライブオペをおこなった。
以下のような情報を術前に提示していた。
まず支台築造から行おうとしたが…
ラバーダムをかけれるほどの歯牙が残存していなかった。。。
そこでZooで簡易防湿して隔壁を立ててラバーダムして支台築造することになる。
が、これがそもそもの間違いの元であった。
☆この後から臨床的な写真/動画が出てきます。不快感を感じる方は試聴をSkipしてください。
Temporary Build up(2022.11.26)
クラウンを除去すると…
頬側の歯質がほとんどない状態で支台歯が顔を出した。
このメタルコアを除去すると以下のようになった。
頬側にはほとんど歯質が残っていない。
口蓋根のポストコアは取れないので、隔壁を立ててラバーダムをしてから除去しようと決めた。
この時である。
ラバーダムがかけられないので私はZooを使用した。
これが今考えれば…間違いの始まりであった。。。
この後、ラバーダムをかけて口蓋根のポストコアを除去している。
その後、ファイバーポストを使用して支台築造処置を行った。
レジンの完全硬化が即日では起きないことから歯質がない場合は別日にIntentional Replantationを私は行っている。
ということでAdvanced Course 2022 第7回のこの日ににIntentional Replantationは行われた。
Live Ope形式で処置を見ていただくことになった。
#15 Intentional Replantation(2022.12.11)
何が起きたかわかっただろうか?
レジンコアが歯質ごともげてしまい歯質が破折してしまったのである。
なぜこのようなことが起きたのか?といえば、歯質がないからである。
健全な歯質がない場合、Intentional Replantationを行うとこのように歯質ごともげてしまうことが多い。
したがって、処置できるかどうかは歯質の量で決まることが多い。
ここで処置を終了して歯が破折したこと、保存が不可能であることを伝え治療が終了した。
この失敗症例から学べることは…
Zooで隔壁を作成しなければならない(ラバーダムをかけて治療ができない症例)症例は、Intentional Replantationの適応症にはならない
という事実である。
樋状根ならまだしも2根~3根しっかり生えているような歯牙の場合は適応症から外れるということである。
これはうまくいかなかったにせよ臨床的には大きな発見であると言える。
以降の歯科臨床ではそうしたことがないように気をつけたい。
患者さんには申し訳ないとしかいえない結果になってしまった。
上記の私の感想をテーマに残された時間は受講生とDiscussionして午前中は終了した。
午後からはCBCTの分析実習を行った。
miele-lxivを各自Downloadしていただき実習をしようと思ったが…
なんと現在、このソフトはフリーソフトで無くなってしまっていた。。。
ということで私のPCを使用してどのように動かすか?を講義して各自受講生に実践してもらった。
攻略法は以下である。
1. 横断面で歯根を術者が外科治療で見る方向に合わせる。
2. 冠状面でCBCTの軸を歯根に合わせる
3. 矢状面を歯軸に合わせる
そして、外科治療の考察はこの3つの画像を行ったり来たりしながら行う。
私はUSC時代、この作業を毎回Dr.Schecterと行っていた。
懐かしいあの時代…あの時私は若かった。。。
それはさておきこのケースなら、根尖部から3mmで切断するのは容易である。
上顎洞を触れることはない。
CEJからApexまでの距離は約9mmである。
平均的な歯根長と言える。
また、Apexから3mmで切断した時の頬舌的幅は以下である。
リンデマンバーの約半分程度である。
問題がない外科治療であるということがわかるだろう。
このような治療計画を立てれるDr.を私は知らない。
このAdvanced Courseではそのとっかかりをつけるコースであると言える。
ということでこの日のコースも無事終了した。
1日お疲れさまでした。