バイト先の患者さん。
主訴は
根の先に膿が溜まっている…咬合痛もある。鼻詰まりもあり頭痛もある。歯科治療が必要だと思う。
である。
私は折尾にバイトに行っているがこの患者さんはさらに遠方から来られているそうだ。
ホームページで私を探したそうだ。
昨日のこの大雪であるにもかかわらずだ。
折尾の道路も積もっていた。
しかし不思議なことに昼にはピーカンであった。
某珈琲屋には昼時満員が通常であるにもかかわらず私を含めて数人の客しかいない状態であった。
風は流石に強く、気温もかなり低かったが。
皆さんもお気をつけください。
ということでこの日の午後の治療(Intentional Replantation)をご紹介したい。
歯内療法学的検査(2022.10.13)
#2 Cold N/A, Perc.(+), Palp.(-), BT(+), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#3 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#4 Cold+3/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#2に咬合痛と打診痛がある。
PA(2022.10.13)
CBCT(2022.10.13)
#2,#3の細菌感染が原因で上顎洞内に感染が起きている。
#2から見ていこう。
#2は小臼歯のような歯根をしている。
そして
B,Pの2根管性でありこれは上顎の小臼歯のような歯根
をしている。
つまりそれほど抜歯が難しくない可能性が考えられる。
次にB,Pを見ていこう。
#2 B
根尖病変が上顎洞と交通している。
感染がかなり進行していることの証左だ。
また、頬側は途中で根管充填が終了している。石灰化している可能性がある。
そして、口蓋側は太くApex付近まで形成・根充している。
この3つの事象を考慮すると、
再根管治療<<外科治療(Intentional Replantation)となる可能性が高い。
#2 P
根尖病変が上顎洞と交通している。
感染がかなり進行していることの証左である。
口蓋側は既に太くApex付近まで形成・根充してある。
歯内療法学的診断(2022.10.13)
#2
Pulp Dx: Previously treated
Periapical Dx: Symptomatic apical periodontitis
Recommended Tx:Core build up with Fiber Post→Intentional Replantation
推奨される治療は、何度もしつこく述べるが
根尖病変が上顎洞と交通しており、感染がかなり進行している
頬側が途中で根管充填が終了している。石灰化している可能性が高い
口蓋側が太くApex付近まで形成・根充してある
ことから、再治療でなくIntentional Replantationを選択し患者さんは治療に同意された。
☆以下、Intentional Replantationの動画が掲載されます。視聴に不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。
治療前にクラウンを除去しレジン+ファイバーポストで支台築造している。
#2 Intentional Replantation(2023.1.24)
脱臼して抜歯した。
脱臼すれば1分で抜歯ができる。
それを使用しなければ…何時間もかかる可能性がある。
どちらを選びたいか?はあなたが決めることだ。
その後、抜去歯牙を生食に浸して血液を除去し、歯根を観察したが破折はなかった。
したがってApicoectomyに移行した。
CBCTを参考にRetroprepの形態を述べたい。
B,PをRetroprepするとその二つの窩洞は容易につながることがわかるだろう。
最終的には以下の形態になる。
歯根の外形と相似形になっていることに注目してほしい。
これを意識して形成しなければならない。
その後乾燥して逆根管充填した。
PAを撮影した。
問題ないと思われる。
抜歯窩へ戻してPAを撮影した。
問題なく終了した。
次回は1ヶ月後に動揺をCheckする予定である。
その際に動揺がなければプロビジョナルレストレーションの形成・印象・装着に移行する。
次回、またこの患者さんの予後についてご報告しよう。