以前の記事の経過観察。
以前(2022.6.25)、ブログに掲載していた。
20分の外科治療〜#13 Apicoectomy
主訴(2022.6.25)
左上5番のクラウンの歯が顔を洗ったり、口を大きく開けたり、患部を指で押すと痛い
歯内療法学的検査(2022.6.25)
#12 Cold+5/4, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL),Mobility(WNL)
#13 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(++), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#14 Cold+6/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL),Mobility(WNL)
主訴が再現できたので、歯内療法により主訴が改善される可能性が高い。
PA(2022.6.25)
初診時 CBCT(2022.6.25)
上顎洞を傷つけることは全くない。
実にEasyなApicoectomyが行えると言える。
歯内療法学的診断(2022.6.25)
#13
Pulp Dx:Previously Treated
Periapical Dx:Symptomatic apical periodontitis
Recommended Tx:Core build up with Fiber Post→Apicoectomy
☆この後、Apicoectomyの動画が出てきます。気分を害する方は視聴Skipしてください。
#13 Apicoectomy(2022.6.25)
根尖部をまず見つけ出す。
Apexが見えたらApexを剖出する。
剖出したら3mm切断だ。
3mm切断したら切断面が見えてしまっている…
ということはこの意味することは、
おそらく私はベベルをつけて切断してしまっているはず
である。
これは後に(6M後に)撮影するCBCTでわかるはずだ。
剖出して切断面が見えたら負けである。
ベベルがついていることになり、深く逆根管形成し逆根管充填しなくてはならないことになる。
この後の操作が面倒くさくなる。
ではなぜ切断面が見えるのか?と言えばこのCaseでは、
口角がかなり硬い患者さんだったから
である。
なので、口角が硬い人はApicoectomyがやりにくくなる。
これは覚えておこう。
こうしたケースでは
術野を普段よりも広く設定してあげる必要がある。
これも覚えておこう。
逆根管形成し、逆根管充填した。
最後に縫合した。
この口角の硬さであれば#11の近心でなく、#10の近心に縦切開を入れるべきだったかもしれない。
しかし、上顎は麻酔の作用時間が下顎に対して極端に短いため、その効果との戦いになる。
それが私に#11の近心に縦切開を入れさせた理由だ。
相変わらずパピラベースでこういう切開方法が嫌いな人は大声で?批判するだろう。
さてここから半年経過した。
Apicoectomyは奏功しただろうか?
術後の症状、PA、CBCTを提示して皆さんにその模様を見ていただこう。
#13 Apicoectomy 半年経過時(2022.12.21)
半年経過してまず臨床症状(主訴)は消失した。
つまり、
左上5番のクラウンの歯が顔を洗ったり、口を大きく開けたり、患部を指で押すと痛い
という症状は完全になくなったのである。
毎日の生活が豊かになったと喜ばれていた。
次にPAを撮影した。
根尖部の病変はかなり綺麗に治癒しているように見える。
順調な予後であろう。
私の術前の予想である、
Apicoectomyしたら切断面が見えてしまっている=おそらくベベルをつけて切断してしまっている
という予想は当たっていた。
が、
深くRetroprepしRetrofillingしたため問題が起きずにHealing傾向を示している。
何を言っているか?意味がわからないあなたは Advanced Course 2023に出席した方がいいだろう。
ということで順調な経過であった。
この後はプロビジョナルレストレーションを最終補綴に変更していただいて治療は終了する予定である。
次回はさらに半年後(術後1年後)の今年6月にRecallで来ていただく予定である。
その際の報告をお楽しみに。