週末日曜日はまつうら歯科医院 歯内療法専門室でAdvanced Course 2022 第9回が行われた。
テーマはマイクロサージェリーテスト。
それに先立ち、午前中は講義を行った。
以下がこの日のテーマである。
Case発表を行い、Microsurgeryのテストを上下顎で行なった。
それぞれ90分1本勝負である。
以下がそのレントゲンである。
<上顎大臼歯>
逆根管充填材とGutta Perchaの流れが若干、平行で無くなっている。
いわゆる、
Off-Axis
と言うやつである。
こうなるのは逆根管形成時に超音波形成が歯軸と平行ではないから起きているのである。
したがって、マイクロスコープの倍率を下げなければならない。
低倍率で歯軸を意識して形成する必要がある。
が、3mmの深さにはきちっと入っていた。
この受講者はそうした問題が若干はあったが、うまい。
この方も理想的な切断と逆根管形成+逆根管充填を行えている。
問題がない。
上手な受講者だ。
この方はMB, DB両方をRoot resectionし、RetroprepしてRetrofillしている。
この方もきちんと行えていた。
うまい受講者だ。
この方もきちんとできていた。
今日の受講者は全員うまいと思う。
この方も気泡は入っているが問題なく逆根管充填はできているだろう。
この人もうまい。
この受講者は
某社の長い逆根管形成チップ
を使用していた。
すると3mmどころかこんなに長く逆根管充填ができる。
そうしたチップはどこの会社の何を購入すればいいか?理解できただろうか?
また、当初30分程度で終了した人が続出したが、Retroprepが浅い(2mm前後)人が多く、3mmになるまでやり直しをしていただいた。
3mm形成することの難しさを知っていただけたと思う。
どうすれば3mm形成できるか?わかっただろうか??
ここで昼休憩で、午後から下顎の大臼歯を行なった。
<下顎大臼歯>
MBがかなりOff-Axisしていた。
形成と倍率に気を使う必要があるだろう。
3mm確保されている。
この受講者は手慣れている。
臨床での経験も多そうだ。
そしてかなりうまい。
この受講者も3mm確保されていた。
この人も経験者なのでうまく実習ができている。
そして器用な先生だ。
この受講者も3mmを楽々と形成し、逆根管充填していた。
この人もうまい人だ。
逆根管充填に気泡が入ってしまったが、これはデリバリーシステムの問題だろう。
適切な道具が流通すれば問題をブロックできるかもしれない。
3mmの形成量は確保されていた。
この受講者は右下6の近心根、遠心根、両方を処置しているが非常にうまい。
手慣れていることからもこれからケースをこなせば上達するだろう。
と言うことでこの日の実習は終了した。
最後に質疑応答になったがこの中で、一番多かった質問は
3mm逆根管形成するのが思いの外、難しい…特にイスムス部が!
と言う事実であった。
おそらく、それを安定的に毎回達成するには、
超音波チップを常に新しいものにしなければらない
だろう。
それが臨床のTipsである。
私はインプラントをしないのであのドリルをどれくらいの頻度で交換するのか?知らない。
毎回新しいものを使用するのか?それとも錆び付いて削れなくなるまで使用できるのか?知識がないのでわからないが、
話を戻すとエンドの場合は、
単回使用であれば、お高い海外ものの逆根管形成チップは使えない
と言う話になる。
アメリカから輸入するよりも安い日本の会社から手に入れた方がいい
かもしれない。
また受講生の中には
逆根管形成してそのチップが歯牙の中に折れ込んだ
方もいた。
そうした場合は、
某社の長い逆根管形成チップを用いて逆根管形成すると折れた超音波チップごと取れると言うことがわかっただろう。
そのためには、どこの会社のどう言う道具が必要か?理解できただろうか?
また意外な盲点になったのはLid techniqueの
逆根管充填チップ
の存在である。
これが理想的なものがないと逆根管充填がうまく行かない。
最近、知人から
Vista Apex社のチップが日本でもFEEDから出た!
とアドバイスされたが、結果的にこれは某社の比較的安価なシーラーにもついたが、
従来のチップと比べて長さが短く(これはさほど問題にならないが)、また細すぎて圧がチップにかかりシーラーがチップから全く出てこなかった。
これはもっとゲージをあげて太いものにすれば問題が解消できるかもしれない。
私も26Gを試してみようと思う。
後日、この件に関してはブログでご報告したい。
これがもし臨床的に使用できるのであれば、
今後はこの類のチップはFEEDで購入すればいいだろう。
ということでこの日のセミナーは終了した。
次回、3月はいよいよ最終回である。
外傷、各種吸収とその治療方法、自家歯牙移植の話などを行なっていき、
最後に受講生にプレゼンテーションしてもらう
予定である。
1日お疲れ様でした。
あと1回、頑張りましょう。