紹介患者さんの治療。

主訴は

歯が痛くて痛くてどうしようもなかった…あの痛みはもう御免である…。。。死にそうに痛かった!!

であった。

歯内療法学的検査(2023.2.17)

#13 Cold NR/20, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

#14 Cold N/A, Perc.(+), Palp.(++), BT(+), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

#15 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

打診痛、咬合痛がある。

また、MBの根尖部を押さえると痛みがある。

この痛みは紹介先の切開でだいぶ、落ち着いたという。

が、主訴は再現できたようだ。

歯内療法の鍵は、主訴をReproduceすることである。

それができれば歯内療法処置が問題解決に役立つ可能性が高い。

ということで、あとは治療の内容である。

どういう治療が必要だろうか?

PAを撮影した。

PA(2023.2.17)

メタルポストコアの先に折れたファイルがある。

これが取れればいいが、痛みが強くてどうしようもなかった。

が、

紹介医が麻酔をして切開をしてくれたのでその地獄のような状況から回避した

のである。

その地獄のような状態からあなたはどうやって患者さんを救い出せるか?わかるだろうか?

これは学習するしかない。

今年はそういうセミナーをしようと考えている。

CBCT(2023.2.17)

アーチファクトが強くてよく分からないように見えるが…

よくCBCTを見てみよう。

根尖部の歯槽骨が溶解していることがわかるだろう。

ということは歯根の長さなどに気を使わなくても大丈夫である。

切開剥離するとMB根のApexが目に入るはずだ。

次にDBを見てみると、

DBにも病変があるように見える。

MB, DB両方を切断しなければならないだろうか?

もちろん、切断すれば私にはお金が入る。

が、患者さんにはその必要性があるのだろうか?

よくCBCTを見てみると、以下のような画像が目に入る。

このように根尖部から歯を見ると、

MB根の病変がDBまで回っている?

ことがわかる。

恐らく、原発はMBであろう。

もちろんそうなのかどうかは分からないが、疑いの目で切断をすることはできない。

恐らく…

ここが評価が分かれるところだろう。

世の中には、

疑いの目は全て消そうとMB, DBを切断すべき!という人もいるかもしれない。

が、

上記の画像を見てMBのみ切断してDBはあたらないという人もいるだろう。

そんなことにエビデンスがあるのか?と言われれば、何もない。

人としての生き方や育ち、そしてものの考え方がこの切断の有無を左右するだろう。

まあそんなに大袈裟なものでもないけども。

どうせ死ぬわけではないのだから。

ということで治療計画は以下になる。

歯内療法学的診断(2023.2.17)

Pulp Dx: Previously treated

Periapical Dx: Symptomatic apical periodontitis

Recommended Tx: Core build up w/wo Fiber post→Apicoectomy

この治療計画で支台築造とApicoectomyは同時にできない。

なぜだろうか?

その理由はAdvanced Corse 2023に出席すればわかる。

というわけでこの日はCore build upを行うことになった。


☆ここから治療の動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。


#14 Core build up(2023.2.17)

メタルコアを除去するのに21分かかっている。

これは除去が難しい症例であった。

その後、レジンコアで支台築造を行った。

この日の治療はこれで終了した。

別日にApicoectomyのアポを取り、外科治療を行った。

#14 Apicoectomy(2023.2.24)

口角が柔らかい患者さんだったので縦切開を#12の に入れた。

剥離して#14 MBのApexを探す。

さあMBの根尖はどこにあるのか?と言えば、CBCTによればこの位置にあるはずだ。

ほぼ歯頚部の直下にあることがわかる。

その辺りを探索してみた。

Apexを発見した。

そして歯槽骨はやはりなかった。

このように

歯内療法においてCBCTは欠かせないもの(特に外科では)

であることがわかる。

Apicoectomyを行った。

メチレンブルーで染色した。

どのように映るか?と言えば、このようになるはずだ。

MB1,MB2はかなり接近している。

断面は卵型でMB1, MB2を繋ぐと円形か楕円形になりそうだ。

切断面と相似形になるだろう。

超音波は何回か使用したものを滅菌したものを使用しているが、キレが悪い。

パワーを10に上げて使用したら削合ができた。

超音波の歯の部分全体が入ると3.5mmである。

逆根管充填した。

PAを撮影した。

折れたファイルを取り出すことはできなかった。

が、

それが必ず必要なのだろうか?

それを示している症例を私は先日提示している。

#19, 30 根管に折れ込んだ破折ファイルを除去せずに根尖病変が治癒するのか?〜#19/30 Re-RCT 6M/1yr Recall

ということでこの日の結果が出るには半年最低は必要である。

1その際にはCBCTとともに提示したい。

まずは半年間、少々お待ちください。


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