紹介患者さんの治療。

この患者さんも熊本の

けやき通り歯科・矯正歯科

からの紹介患者さんである。

主訴は

再根管治療した部分が痛い

であった。

歯内療法学的検査(2023.4.27)

#4 Cold N/A, Perc.(+), Palp.(++), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

#5 Cold+3/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

Palpationに圧痛がひどくみられた。

再根管治療が奏功していないようだ。

PA(2023.4.27)

CBCT(2023.4.27)

再治療を行った時のCBCTも存在していた。

これはその際の術前のものである。

Pre-op CBCT(2022.9.28)

根尖部に病変がある。

この時はImplantはなかったのだが、後日この欠損部位にImplantが埋入された。

また#4はRe-RCTを行っていたが治癒が芳しくなかったようだ。

ここから7ヶ月が経過していた。

Implantに根尖病変が接近しつつある。

このまま放置すれば…

このImplantにも根尖病変ができてしまう。

Peri-Implantitisである。

それは避けたい。

CEJよりApexまでは13mmである。

3mmで切断すると頬舌的に何mm切断すればいいだろうか?

5.5mmである。

リンデマンバーの半分だ。

ここで切断すると1根管のGutta Perchaが見えるはずである。

それほど難しくない。

上顎や下顎の大臼歯とはもはやえらい違いだ。

上顎第2小臼歯はほぼ前歯のような根管形態である。

ということで診断は以下である。

歯内療法学的診断(2023.4.27)

#4

Pulp Dx: Previously treated

Periapical Dx: Symptomatic apical periodontitis

Recommended Tx: Apicoectomy

治療はApicoectomy一択だ。

この日、治療へと移行した。


☆この後、外科動画が出てきます。不快に感じる方は視聴をSkipしてください。


#4 Apicoectomy(2023.4.27)

#3のImplant部位はSubmarginal的に切開している。

無用な歯周組織の問題を与えなくないからだ。

ということで、#4のApexは容易に見つかった。

Root resectionした。

逆根管形成した。

いつも思うがこのGutta Perchaのペロペロ(残渣)がうざい。

どうにかならないだろうか?といつも思う。

最後に逆根管充填した。

PAを撮影して、縫合した。

(PAは最後に出す。)

PAは以下である。

このPAだけ見ると…

この野郎、穿孔しかかってるじゃねえか!とお怒りの声が届いてきそうだ。

本当に穿孔しているのだろうか?

こういう時は、CBCTを撮影するか、偏心撮影をすることを勧める。

と言ってもうちの歯科医院にはCBCTがないので、ここは偏心撮影した。

このPAを解析すると、

不安ならCBCTを撮影することを勧めるが、PAでもここまでわかる。

ということで、

CBCTはなくても歯科医院開業・歯科医院経営はできる

のである。

が、あれば便利だと最近は思うこともあるが、うちは紹介で患者さんを見る歯科医院なので紹介元がCBCTをくれるので…

まあ必ずしもあったほうがいいとも思わないので、いかんともしがたいところだ。

ということで次回は1年後である。

再度、詳細をご報告したい。