バイト先の治療の経過観察。

主訴は

歯が折れていると言われた。全く痛くないのだが…残せないだろうか?

であった。

歯内療法学的検査(2020.5.25)

#18 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

#19 Cold+2/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

検査したが、確かに症状がない。

なぜ抜かないといけないのだろうか?

何か特殊な問題があるのだろうか?

PA, CBCTを撮影した。

PA(2020.5.25)

近心根管は閉鎖しているように見える。

根管充填が途中までしかなされていない。

CBCT(2020.5.25)

この画像を見ると…確かに破折しているかもしれない。

が、術前検査ではPerio PocketはWithin Normal Limit(標準値内)である。

整合性が取れない。

歯が割れているかどうか?は実際に歯牙を見て判断するしかないのだ。

したがって、白黒つける意味でもIntentional Replantationがこの患者さんの最適な治療となるだろう。

歯内療法学的診断(2020.5.25)

Pulp Dx: Previously treated

Periapical Dx: Symptomatic apical periodontitis

Recommended Tx: Core build up→Intentional Replantation

ということでIntentional Replantationへ同日移行した。


#18 Intentional Replantation(2020.5.25)

結論から言えば…破折はなかった。

私がそれとも見えなかっただけなのだろうか?

いずれにしても破折線は検出されなかった。

根切し、逆根管形成し、逆根管充填した。

その後、PAを撮影した。

気泡が入ったので(格好悪いので。歯科医学的には問題はない。)修正して、再植した。

ここから時間が経過していた。

気づけばもう3年経過していた。

#18 Intentional Replantation 3yr recall(2023.9.25)

術前と同じく、臨床症状はない。

PA(2023.9.25)

CBCT(2023.9.25)

これはもう、

Complete Healingである

と言える。

これ以上の経過観察の必要はないだろう。

術前と術後を比較してみた。

このように、

術前で画像的に割れている可能性があっても、実際にIntentional Replantationするまで折れているかどうか?はわからない

のである。

よく覚えておきましょう。

そしてどうせ抜くなら…

口腔外で歯牙をCheckして問題なければ根切して、再植しろよ!

と言わずにはいられないのは私だけだろうか?