紹介患者さんの治療。
主訴は、
他院で根管治療したら道具が折れてしまい、その歯でものが噛めない、痛い…
である。
Pre-op Endo test(2025.12.12)
#2 Cold N/A, Perc.(+), Palp.(-), BT(++), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
依頼された#2には咬合痛と打診痛がある。
主訴と検査項目で出た問題が一致している。


近心根にファイルが折れ込んでいる。
が、
それが問題なのでなく、可及的無菌的な歯内療法がなされていないことの方が問題なのである。
当歯科医院の患者さんで、それが折れ込んでどうにかしろという話がかつて数件あったが、問題は解決している。
しかも折れたファイルが除去できなかったにも関わらず、だ。
患者さん曰く、
ラバーダムなど見たことも聞いたこともない
だそうだ。
日本の歯科医療の未来は依然として, 明るいとは言えないだろう。
私が勤務医時代を過ごした2002~2005年と今は何の変わりもないのだから。
MB

DB

P

Pre-op Endo Diagnosis(2025.12.12)
Pulp Dx:Previously treated
Periapical Dx:Symptomatic apical periodontitis
Recommended Tx: Intentional Replantation
同日、治療が行われた。
☆この後、外科動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。
#2 Intentional Replantation(2025.12.12)
脱臼して抜歯しているので再植は難しいであろう…という印象を抱かさせるような抜歯作業だ。
抜歯窩を確認した。

ここからは口腔外作業になる。
メチレンブルーで染め出してRoot resectionした。
切断部分をメチレンブルーで染め出した後に逆根管形成した。
ファイルが破折しているMBから折れたファイルを取り出そうとするが困難であった。
仕方がないのでそのままにして逆根管形成を進めていった。
逆根管充填した。
術後にPAを撮影した。

折れたファイルはIntentional Replantationの術式では取れなかった。
が、それをあえて取ろうという考えは私にはない。
この後、歯牙の再植を試みようとするのだが…
なかなか再植ができない。
やはり脱臼+抜歯に時間がかかったからだ。
さて、このような時に我々はどうしたらいいだろうか?
☆Intentional Replantation時に再植行為が難しい場合の臨床的対応方法
1. Tooth Sloothで歯牙を患者さんに咬合させて元の位置に戻す
2. それでも再植が難しければ、抜歯窩の歯牙を再植する上でアンダーカットになっている部分(分岐部, 頬舌側・近遠心部分の歯牙のアンダーカット部分)の歯槽骨を除去する
すると抜歯窩へ戻すことができた。
術後にPAを撮影した。


MB

DB

P

問題はないだろう。
この1ヶ月後に経過観察で来院された。
#2 Intentional Replantation 1M recall(2026.1.28)
問題はないだろう。
次回は半年後である。
またその模様をお伝えしたい。