以前の治療の経過観察。
#14のMB根にファイルが折れてしまった患者さんのApicoectomyの1yr recallである。
当時(2023.2.17)は、
#14 Cold N/A, Perc.(+), Palp.(++), BT(+), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
で、
MB根に折れたファイルがあり、
CBCTでは、
大きな根尖病変がMBにあった。
MB2が未着手に見える。
またその病変の大きさから、DBにも病変があるように見えた歯であった。
が、以下の画像から
DBに見える病変はMBから回ったものと考え、MB根のみをApicoectomyしたCaseであった。
その結果が以下である。
さて。
MB根は破折ファイルも外科で取れなかった。
これで問題は解決されるだろうか?
あれから1年が経過した。
⭐︎この後、検査動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。
#14 Apicoectomy 1yr recall(2024.3.15)
#14 Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
であり、術前の臨床症状は喪失した。
MB
MBの病変も、Osteotomyを施した頬側の歯槽骨も回復した。
破折ファイルが取れていないのに、だ。
破折ファイルを取らないと病気が治らないのではないのか?w
DB
P
初診時と1年後を比較してみた。
初診時(2023.2.17)vs 1yr recall時(2024.3.15)
MB根の周囲にある根尖病変は消失した。
そして、Apicoectomyで歯槽骨はなかったものの、術後1年で回復している。
このケースからわかることは、
破折ファイルを除去しなくても、
感染を除去し、
再感染しないように封鎖すれば、
根尖病変は治癒し、頬側の皮質骨も再生すると言う事実
である。
折れたものをどうやって取ろうか?などと焦ることなく、
目の前にあるケースに、歯内療法のあり方そのものを考慮し、全身全霊で取り組むことが、患者さんの信頼を勝ち取る最上の手段である
という話の流れはもう動かし用がない事実であろう。
ということで患者さんの経過観察はこの日で終了した。
長い間、お疲れ様でした。