昨日の記事の続報。
結局、再根管治療はできなかった。
その際、Apicoectomyがあなたができれば次の手に移行できる。
ということで、この日は#13,14 MBのApicoectomyとなった。
その前に治療の分析を。
まず#13から。
周囲に外科治療を妨げるような解剖学的要素がないことがCBCTでわかる。
CEJ 11mm下方にApexがある。3mmで切断しようとすると頬舌的に4mm切断する必要がある。
それほど難しい外科治療でないことがわかる。
Retroprepは#11に平行に行えばいいだろう。
全く時間がかからないことがわかる。
次が#14 MBである。
レジンコアの頬側咬頭頂から12.6mm下方にApexがある。
上顎洞に注意する必要は多少はあるが、とにかく計測だ。
こうした計測がPAでは不可能で、誰がどう考えてもCBCTが王者だ。もはや否定もできない事実だろう。
さて。Apicoectomyを3mmで切断するには、頬側-口蓋側的に4.6mm切断する必要がある。
周囲に巻き込み事故を発生させるような解剖学的な危険な要素(DB根は近いものの)もない。
その際、MB2の出現が予測されるが、MB1との距離が近そうなので難しい処置にならないだろう。
またRetroprepの際は、
DB根と平行にRetroprepすれば問題が起きにくいということもわかる。
まあ穿孔してもすぐさまRetrofillするのでほとんど問題は起きないけれども。
以上を治療前に精査して、Apicoectomyが行われた。
⭐︎この後、外科動画が出てきます。不快に感じる方は視聴をSkipしてください。
#13,14 Apicoectomy(2024.4.3)
まず#13のApicoectomyから開始した。
OsteotomyしなくてもApexの場所がすぐわかるのが動画で理解できるだろうか?
Root resectionした。
Retroprepし、Retrofillした。
PA, CBCTは#14が終了した時点で撮影して精査する。
ということで#14へ移行した。
#14 MBのApexをまず探索する。
そしてRoot resectionした。
上記動画の最後の映像の切断面にはMB1,MB2が見えるだろう。
この石灰化根管が穿通できなかったのが、この病気ができた原因だ。
なので、こうした処置に追い込まれるような処置(成人の歯牙に対する生活歯髄療法)はやめなさい、というのだが、世の中からそれは無くならない。
そして私の仕事も無くならない。
MB1, MB2を形成した。
#14のMBにはMB3と思しき線が見られる。
そこを形成するどうか?だが、未形成であれば外科した意味がなくなってしまう可能性がある。
そこも形成した。
#14のMBを逆根管充填した。
術後にPA, CBCTを撮影した。
#13
#14 MB
縫合して終了した。
次回は半年後である。また経過を報告したい。