5/30(日) 博多駅近郊会議室でBasic Course 2020の第11回目が行われた。
今回のテーマは前回の続き(生活歯髄療法の続き)と支台築造と歯内療法処置後の修復治療についてである。
前回はDirect pulp cappingまで説明していたので今回はその続きからである。
Pulpotomy(断髄)に関して整理してお話をさせていただいた。
ここで明らかになったことは、どのような薬剤を使用すれば断髄の予後が担保されるか?という話だ。
この文献で明らかになったことは何だっただろうか?
どのような薬剤を使用すればEmergency Pulpotomyは成功しただろうか?
さてPulpotomyはどこで断髄するか?でFull/Partial(Cvek) pulpotomyに分類される。
Irreversible pulpitisと術前に診断されて、Full PulpotomyをMTAで行った文献はどれほどあっただろうか?
そこでの結論はどのようなものだっただろうか?
そのFull pulpotomyを成人で行うと成功率はどうだっただろうか?
Partial Pulpotomyは生活歯髄を保存する術式であるが、どのような場合に適応されただろうか?
露髄して時間が経過したらその歯髄はアウトだろうか?
これを外傷でなく、カリエスによる露髄に適応すると成功率はどうだっただろうか?
次にApexiogenesisの説明と解説を行った。
Apexiogenesisは歯髄の生活性を担保して歯根の完成・発育を促すという治療である。
USC時代に毎週PEDO患者は割り当てられたため(しかしながらCase数に含まれないという非常さ)、多くの小児患者を治療した。
以下はその代表的な例である。
仮にSymptomatic irreversible pulpitisの状態でもApexiogenesisは成功するという。その理由は何だっただろうか?
しかしながら歯髄が失活して根が未完成な永久歯であればその治療はどのようになるだろうか?
以下のような患者がUSC時代に割り当てられたが、レントゲンさえも取れない。検査どころのはなしではない。私と会話をすることがNGである。
それを見ていた親は全身麻酔で治療してくれと懇願し、私はマイクロスコープとカートを持参して手術室まで赴いて治療を行ったがその治療方法は、Apexificationである。
しかしApexificationは水酸化カルシウムで長期的に貼薬する必要性がある。
通常は1回では終了できない治療方法である。
これをMTAを使用して1回で終了させようという治療であった。
こんなことが許されるだろうか?
以下2つの文献がチェックできた。
そこには、臨床的に許容できる成功率が記載されていただろうか?
そして午後から支台築造と修復治療の話を行った。
根管充填後の修復処置のポイントは何だっただろうか?
多くの論文ではクラウン修復を小臼歯・大臼歯で行うことが必須とされてきたがそれは事実だっただろうか?
クラウンにせずにレジン修復で終了するとどのような問題に気をつけるべきだっただろうか?
実際のヒトの口腔内でex vivoと同じ結果が出ただろうか?
その後、支台築造の話などを行いこの日のセミナーは終了した。
次回はいよいよ最終回である。
午前中に外科治療の話、午後から症例発表を行う。
コロナに翻弄された1年も次回で終了である。
次回は6/27(日)、はかた近代ビル会議室104号室で行われる。
次回もよろしくお願いいたします。