紹介患者さんの治療。

主訴は

右下治療した奥歯の歯茎が腫れた

である。

歯内療法学的検査(2025.8.8)

PA(2025.8.8)

CBCT(2025.8.8)

MB

ML

D

Radix

歯内療法学的診断(2025.8.8)

Pulp Dx: Previously treated

Periapical Dx: Chronic apical abscess

Recommended Tx: M Apicoectomy

治療はApicoectomyだ。

理由は

根尖部まですでに大きく拡大がなされていること

Sinus tractがあること

に起因する。

その際、問題になることがある。

何か?といえば、右下6であるということだ。私は右利きなので、ゼクリヤバーが口唇と被るのである。

90°に歯根を切断したいが、口唇が硬ければ硬いほどそれが難しくなる。

つまり、

ベベルがついた切断になってしまう。

それらが術前にわかっている場合、何に気をつけてApicoectomyすべきだろうか?あなたはわかるだろうか?

わからない先生は、

Advanced Course 2026

でお待ちしています。

それは横に置いておいて、この治療の外科的な戦略を考えた場合、

CEJの13mm下方にApexはあり、

歯槽骨を2mm削除すると#30 MのApexが顔を出し、

Apexから3mmで切断すると、そこには1根管のGutta Percha Pointが顔を出す予定である。

予定であるというのは、それが口腔内でできれば、という条件付きだ。

できなければ、絵に描いた餅であるが、なるべくこの絵に近づけていくというのがこの治療の最大の鍵であろう。

別日に治療へ移行した。

☆この後、外科動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。


#30 M Apicoectomy(2025.8.18)

M根のApexの位置は上の写真の位置であろう。

ここをOsteotomyしてRoot resectionした。

歯根を間違ってApexよりも上部で切断しかけて歯根に傷をつけてしまった。

これは問題だろうか?

その答えは、

Advanced Course

で解説します。

さてそれ以上に、切断後の下の画像からどうやって切断面を確認すればいいのだろうか?

ここで知識があれば、以下のような画像に変えることができる。

切断面が、

の形態になっているので問題はないだろう。

逆根管形成したが、非常にやりにくい。。。17分もその作業に費やすことになる。

最終的に逆根管充填した。

術後にPA, CBCTを撮影した。

縫合して終了した。

次回は半年後に経過を追う予定である。

またその模様をお伝えしたい。