Intentional Replantationの経過観察の患者さん。
治療は、2018.10.11に行われていた。
それから6年経過している。
過日の記事を見てほしい。
アメリカでは、Intentional Replantationはしないという。
理由は、
そんなことをしても長く持たないから
だそうだ。
さて。長く持たない治療だろうか?
治療は2018.10.11に以下のように行われた。
過去の私にツッコミを入れるならば、
顕微鏡の拡大率がデカすぎる。このままだと真っ直ぐ切れないことが多い。
また、Retroprepを超音波で行っている。これは時間がかかりすぎる。バーで行うべきだろう。
また、RetrofillをMTAセメントで行っている。これも時間がかかって難しい。今ならLid Techniqueで(BC sealerとBC puttyで)終了だ。
と、このように時代とともに術式は変わりグレードアップしていくのである。
途中で進化が止まるようなことがあってはいけないだろう。
さてここから6年経過したこの歯はどうなっただろうか?
#2 Intentional Replantation 6yr recall(2024.5.1)
治療した#2には何の問題もなかった。
全ての検査が陰性である。
PAも問題がない。
訳のわからない、#2-3-4のInlay Bridgeを装着されているのに、だ。
このFPDは私が倒れたのち、患者さんが近所の歯科医院で装着したという。
不幸としか言いようがないが、今も機能している。
CBCTも撮影した。
MB
DB
P
このように人の口腔内には我々が計り知れない奇跡?が起きることがある。
私はUSCで、Intentional Replantationをした歯をアバットメントに、FPDにはするなとDr.Schechterに教わった。
理由はIntentional ReplantationがFailしたときに、不幸なこと(FPDの再製)が起きるから、だそうだ。
が、
FPDが入り、
Inlay Bridgeが装着されているにも関わらず、
治療からすでに6年が経過している。
これは奇跡なのか?それともこの患者の口腔内だけで起きる現象なのか?私にはわからない。
が、わかることは、
Intentional Replantationをしてもすぐにダメになるようなことはない
と言う事実である。
時間経過だけが治療を正当化してくれるのだ。
その意味でもこのケースは非常に重要だろう。
我々歯科医師が学ぶことがこのケースには多々あるのではないだろうか?