紹介患者さんの治療。

主訴は、

右下奥歯で硬いもの、歯応えがあるものを噛むと痛い…

であった。

歯内療法学的検査(2024.8.23)

#30 Cold+3/5, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

#31 Cold N/A, Perc.(+), Palp.(-), BT(++), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

#32 Cold+2/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

主訴は#31だろう。

PA(2024.8.23)

歯牙の長い下顎第二大臼歯だ。

根尖病変も根尖部にある。

石灰化が亢進している。

再根管治療では埒が開かない可能性が高いだろう。

が、大きな根尖病変が根尖部にある。

ということは、抜歯がしやすいはずである。

が、親知らず(#32)が存在する。

これがなければ抜歯がしやすいのだが。。。

端的に言うと、それが物理的に邪魔である。

が、口腔内を見ると、

#31は頬側に転移している。と言うことは…脱臼しての抜歯がしやすいだろう。これが歯列不正がなければ…抜歯が困難な可能性がある。

このことからも、この治療はそれほど難しくないだろうと言うことが予想できる。

これもIntentional Replantationを行う上でのコツであると言うことがわかる。

CBCT(2024.8.23)

MB

ML

D

PAからの予測通り、抜歯は容易にしやすい歯牙である。

Intentional Replantationの前にCore build upが必要だろう。

ということで、患者さんに説明し、同意を得たので同日に治療へ移行した。

歯内療法学的診断(2024.8.23)

Pulp Dx: Previously initiated therapy

Periapical Dx: Symptomatic apical periodontitis

Recommended Tx: Intentional Replantation

ということで、同日治療へ移行した。

☆この後、外科治療動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。


#31 Intentional Replantation(2024.8.23)

除冠して、レジンで築造後に抜歯してIntentional Replantationへ移行した。

脱臼して抜歯している。

#31が頬側に偏位していたから治療が容易である、という点がわかるだろうか?

さておき、ここから口腔外での作業になる。

Apicoectomyして、Retroprepして、Retrofillingした。

ということで、PAを撮影した。

問題はないと思われる。

抜歯窩へ再植した。

最後にPA, CBCTを撮影した。

ということで、次回は1ヶ月後である。

またその模様をお伝えしたい。