紹介患者さんの治療。
主訴は、
他院で抜歯→インプラントと言われたが歯を保存したい
である。
なぜ抜歯なのか?と患者さんに問診すると、
歯が折れている
と言われたそうだ。
皆さんはこの主訴を聞いてどう思うだろうか?
歯が折れているか?いないか?は、その歯を抜いて口腔外に出さないと判別ができないのであるが…
歯内療法学的検査(2023.9.12)
PA(2023.9.12)
CBCT(2023.9.12)
MB
DB
P
Sinus tractがあり、
既根管治療歯であるが、
歯根が折れているような画像所見はない。
こういうものを見るときのポイントは、根管口部だ。
この方は、#19も治療が必要であったが、
根管口部が大きく削られている。こういうことをやると、歯牙が垂直的に破断することが多い。
根管治療がしやすくなるから、という理由で根管口部を多く削ることは許されない
のだが…
歯内療法学的診断(2023.9.12)
Pulp Dx: Previously treated
Periapical Dx: Chronic apical abscess
Recommended Tx: Core build up→Apicoectomy
ということで別日にまず、支台築造が行われ以下のようになった。
根管口部は歯質が保存されていることがわかる。
この後に、Apicoectomyが行われた。
#3 MB Apicoectomy(2024.7.11)
術後にPA, CBCTを撮影した。
問題はないと思われる。
縫合して終了した。
この後、1年後に経過観察となった。
#3 Apicoectomy 1yr recall(2025.6.18)
MB
DB
P
Selectiveに治療しても(MBのみ外科治療してそのほかの根管は再根管治療していない)問題が出ていないことがわかる。
この意味でもその治療は正当化されるだろう。
初診時と比較した。
完治である。
経過観察も終診でいいだろう。
長期に渡り、お疲れ様でした。