紹介患者さんの治療。
主訴は、
歯茎が腫れて痛い。数日前は歯に触れただけでも痛みがあった…
である。
急化Perのような状況だったのだろう。
Pre-op Endo test(2026.5.12)

初診時は主訴のような急性症状はなかったが、頬側の歯肉には以下のようにアブセスがあった。

いわゆる、エンド-ペリオ疾患になっている。
頬側中央のポケットはしかし、約5mmだ。
PA, CBCTを撮影した。


MB

ML

MBの方が直線的な根管に見える。
そして、MBとMLは合流しているだろう。
これは解剖学的知識が必要だ。
Basic Course 2026 第2回で既に話した通りである。


D

Dは1根管でこの根尖部に大きな病変がある。
ここは攻略が必要だ。
治療の予後の見通しだが、

約90%だが、アブセスがどう影響するか?は誰にもわからない。
これも文献的に示されている。
Siqueria 2008 Clinical implications and microbiology of bacterial persistence after treatment procedures

数ヶ月待って、それが消失していなければApicoectomyとなる。
通常それは1~3ヶ月である。
Pre-op Endo Diagnosis(2026.5.12)
Pulp Dx: Pulp Necrosis
Periapical Dx: Chronic apical abscess
Recommended Tx: RCT
ということで、同日治療へ移行した。
☆この後、治療動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。
#30 RCT(2026.5.12)
チャンバーオープンし、D, MB,MLとSXで上部拡大し、それぞれ作業長を求めるが、実際の術式は、
DにSX入れて作業長測定→根管形成
↓
MBにSX入れて作業長測定→根管形成
↓
→MLにSXいれて上部拡大のみ
↓
MLに当該Gutta Percha PointいれてMBにファイル入れてグリグリやる
↓
MBに挿入したGutta Percha Pointに傷がついた16.0~16.5mmの部分が合流地点

↓
MLはその位置まで形成
全ての根管は感染根管であるので、MAFは#35以上
という条件をもってして以下のようになっている。

術後にPA, CBCTを撮影した。


MB

ML

D

かかりつけ医の先生には、プロビジョナルレストレーションの装着を依頼した。
次回は半年後である。
術前のアブセスの存在が治療の予後にどれほど影響するか?であるが、それは時間が経たないとわからない。
ということで、また後日その予後をお伝えしたい。