紹介患者さんの治療。
主訴は、
右下奥歯の被せた歯が痛い。。。
である。
Pre-op Endo test(2026.9.14)

打診痛と咬合痛が#30には見られた。


PAではM,Dの根尖部に病変があるように見える。
CBCTは以下である。
MB

ML

MBで切ると病変はないように見えるが、MLで切ると病変があるように見える。この近心根の病変の病因(問題点)は近心根はMLである可能性が高い。
という予測がCBCTでは成立するが、PAでは成り立たない。
もはややはりそれは、”あなたを診ています”というアリバイ作りに過ぎないであろう。
DB

Dには病変があるがそれ以上に、

臨床家はこの絵を見て、ピンと来なければならない。
そう。
遠心根は2根管性だ。
MLが未着手であるということがPAではわからないが、CBCTではわかる。
ということで、DはDBであり、DLでも分析する必要が出てくる。
DL

未着手のDL側に病変は見られる。
ここの攻略がこの患者さんの主訴を解決する鍵になるであろう。
では、どう攻略するか?であるが私は以下のように戦略を立てようといつも説明している。
“CBCTに基づく予想作業長”である。


この治療でのポイントは、
未穿通のMLおよび未着手のDLを発見・(できれば穿通させて)形成ができるか?であろう。
どうそれを発見し、形成していくか?が今日のブログ記事のテーマである。
さすればその成功確率は

Gorni 2004 The outcome of endodontic retreatment: a 2-yr follow-up
によれば、
86%
ということがわかる。
さて、私は86%を手にできるであろうか?
Pre-op Endo Diagnosis(2026.9.14)
Pulp Dx: Previously treated
Periapical Dx: Symptomatic apical periodontitis
Recommended Tx: Re-RCT
☆この後、治療動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。
DLの位置だが、

遠心に顔を出しているGutta Percha Pointの近傍にあるはずだ。

DLを見つけ、SXでコロナルフレア形成し、長さを測定し、以下のように形成した。

MLは穿通が不可能であった。
が、問題が解決しなければApicoectomyで解決する。
それか、
60%の成功
を手に入れるか?
Akerblom 1988 The prognosis for endodontic treatment of obliterated root canals

である。
また、最後のレジンの築造体の除去だが
このように容易に除去ができる。
理由は、ラバーダムを使用しないレジンによる築造だからだ。
次回、10月のBasic Courseの実習で行う予定である。
術後にPA, CBCTを撮影した。


MB

ML

MLはすでにハンドファイルによる形成で穿通しない状況であることがCBCTだと見て取れる。
DB

DL

Dは2根管でなく、舌側寄りにApical Foramenがあるタイプの歯牙だったようだ。
これは根充して分かった事実である。
ということで次回は半年後だ。
またその経過をお伝えしたい。