バイト先での治療+経過観察処置。

患者さんは30代男性。

他院でApicoectomyしたがうまくいかなかった症例で再度Apicoectomyを行なっている。

なぜうまくいかなかったか?といえば、バイト先での治療だからだ。

そのバイト先の歯科衛生士はApicoectomyの介助などついたことがないのだろう、全く私とかみあわあなかった…

時間だけが流れていき不毛なApicoectomyが終了したのを昨日のように覚えている…

そして予後不良となって、またそのバイト先の歯科医院に現れたのはその半年後であった。

歯内療法学的検査は以下になる。

#29 Cold+2/1, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)

#30 Cold N/A, Perc.(+), Palp.(++), BT(+), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)

#31 Cold+3/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)

ちなみに、この患者さんはそう。

私がアメリカにいたときのブログ⇨The Japanese Endodontic Resident Blog

のトップ画面に表示させてもらっていた患者さんである。

このときの経緯は、他院で一番左のPAを撮影され、

歯が折れているから抜かないといけない、と

どこにっても言われたそうだ。

日本の歯科医師のレベルは恐ろしい…

これを見てどこが歯が割れていると言えるのだろうか?

もはや意味がわからない。

痛みを与えない麻酔とか、楽に歯科治療とか一体どこを目指しているのだろうか?

私には理解ができない。

そこで、この患者さんはネットで、旧・まつうら精密歯科医院を見つけて来院されたのだった。

そうあれは10年近く前になるそうだ。

もうこの方を治療してそんなに時間が経つのか…

この根管治療も、この補綴治療も私がしている。

当時は、補綴治療も私は行なっていた。

ミヤシロ技工所の宮代さんが私の担当技工士だった。

藤本研修会のつながりであり、彼が開業したときに私が彼の技工所に技工物を出したのがその付き合いの始まりであった。

我ながらびっくりである…

ちなみに上記のGoogleブログはまだ生きていた…

GoogleはYahooと違いブログは保存してくれるようだ。

このブログを見ると懐かしいアメリカ生活を思い出す。

さてこの患者さんの主訴は

他院で私が外科治療した後に、Sinus tractができた

というものだ。

外科治療の失敗である。

PAは以下になっていた。(2020.12.14)

偏心で近心根の直下に透過像が見えるのがわかる。

おそらく治癒していないのだろう。

CBCTを撮影した。

逆根充材が窩洞にきちんと入っていないことがわかる。

これでは治らないのも当然だ。

ということで私はやり直しの治療を行うことにした。

再・Apicoectomyである。


再・Apicoectomy時(2020.12.12)

今度は逆根管形成も逆根管充填もうまくいっているように見える。

これで問題が解決すればいいが、その結果は誰にもわからない。

半年後に経過観察に来てくれた。

2021.6.5のことである。

6M recall(2021.6.5)

偏心撮影時の近心根直下に歯槽骨が添加されているように見える。

この時点で患者さんにはいかなる症状もない。

快適に過ごせるようになった!と喜んでいた。

そしてこれから半年後の再・Apicoectomy後1年経過時に患者さんは経過観察にやってきた。

1年 Recall(2021.12.11)

もう切断部位にはかなり歯槽骨が添加しているように見える。

もう患者さんのいかなる症状もない。

これで1年経過し、症状は落ち着いていた。

おそらくHealedといっていいだろう。

次回、CBCTを撮影してきていただいてまたこのブログでご報告したいと思う。