紹介患者さんの治療。
矯正治療予定だが根尖部に病変があるので#10のApicoectomyを依頼された。
その際のCBCT情報は以下。
歯根の長さは約13mmなので歯根は一般人に比べて長い。
実際背の高い患者さんであった。
さて、この情報を元に、患者さんが来られて歯内療法学的検査が行われた。
#9 Cold+3/4, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#10 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#11 Cold+6/9, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
PAは以下になる。
前歯であるが、アーチファクトの問題でSubmarginal Flapをしない私にとっては頬側に皮質骨があろうがなかろうが、関係がない。
歯内療法学的診断は以下になる。
#10 Pulp Dx: Previously Treated, Periapical Dx: Symptomatic Apical Periodontitis, Recommended Tx: Core build up with Fiber Post⇨Apicoectomy
患者さんは事前に治療の内容を聞いていたため、そのまま治療を行うことになった。
15:00から治療が始まり、クラウンを除去し、メタルポストコアを除去し、圧排糸をセットし、ラバーダムをかけて、16:30に支台築造が終了した。
そして外科治療の開始時刻は16:30である。
スタッフは17時30分までしか残れない。
1時間で処置ができるだろうか?
グリーンライドを根尖部、術野に1.5時間前に麻酔していたので切開から開始し治療は行われた。
結論から言うと、
Lid techniqueを用いるので治療時間がほとんどかからなかった。
この日も外科治療は何と30分で終了した。
その前に行った、クラウン除去⇨ポストコア除去⇨ファイバーポスト支台築造の方が時間がかかっている。。。
以下、手術動画である。
逆根管充填をLid techniqueで行ったが、少し見切れてしまっている…
時間に追われて?余裕がなかったのだろうか?
といえば、単なる凡ミスだ。
撮影していて途中で気づいている。
また、最後に切断したもののそれが不足しているために、歯根に顎(歯根の断片)が残ったので最後に切除した。
ということで以上のように歯内療法外科処置はめでたく30分で終了した。
PAは以下になる。
次回は紹介先の矯正歯科医院が紹介した補綴治療を行う歯科医院で抜糸、その次は当歯科医院では半年後、そして1年後に経過観察を行う。
1年後、2年後〜4年後にはCBCTを撮影してもらうように患者さんには告げた。
ブログ掲載もOKな患者さんであった。
ということで早速掲載させていただいた。
この処置よりは、もはや冠除去+ポストコア除去+ファイバーポスト支台築造の方に時間を取られてしまう。
事実、 Apicoectomyは30分で終了したが、支台築造までは1.5時間経過してしまった。。。
もはや外科処置時間<補綴?時間
である。
しかし、
外科処置自体にもはや時間がかからないという状況になった。これはBC sealerとBC tipのおかげである。
時代が変わったのだ。
全てが簡単な方へ流れていく。時代とはそう言うものである。
難しい術式や考え方、方法は全て淘汰されるのだ。今や誰が7/8冠をするだろうか?私はそれを藤本研修会補綴咬合コースで習ったが、一度も臨床で適用されているのを見たことがない。
しかし、外科処置よりも長い補綴処置って一体…