紹介患者さんの外科治療。
そもそもは、再根管治療を以前の博多駅東のまつうら歯科医院でおこなっていた。
初診時(2018.9.6)
歯内療法学的検査の結果は以下になる。
#12 Cold+1/1, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#13 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#14 Cold+2/3, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
PAは以下になる。
歯内療法学的病名は以下になる。
Pulp Dx:Previously Treated
Periapical Dx:Asymptomatic apical periodontitis
Recommended Tx:Re-RCT+Core Build Up w/wo Fiber Post
ということで、再根管治療が行われた。
Re-RCT時(2018.9.20)
3M later recall(2018.12.17)
ちなみに初診時から経過観察期間まで一切痛みがない。
患者さんには、治癒には4年かかるという話をしていた。
その後、私は倒れるが
この患者さんは痛みがないので、既に最終補綴を装着しており、4yrリコールに応じてくれた。CBCTも撮影していただけた。
再根管治療から4年が経過していた。痛みなどは一切ない。
4yr later recall(2022.3.10)
歯髄検査は以下になる。
#12 Cold+2/3, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#13 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#14 Cold+3/4, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
PAは以下である。
また、CBCTを撮影していただけた。
4yr later CBCT(2022.3.10)
歯内療法学的診断は以下になる。
#13:Pulp Dx Previously treated, Periapical Dx Asymptomatic apical periodontitis
Recommended Tx:Apicoectomy
再治療の予後を見ていく上で、4年という数字は重要である。
文献的には、非外科的再根管治療をおこなって4年経過すれば治癒することが多いからである。
Orstavik 1996の有名な論文を見てみよう。
Prospective studyで
Re-RCT(N=732 roots) done by undergrad students
PAI evaluated after 0,1,2,3,4 yrs.(PA=デンタルでの予後評価である。PAI>2で成功と見なせる。)
599 roots could be evaluated.(82%)
アメリカでは考えられないことであるが、再治療を学生が行なっている。
この論文には以下のようなグラフが添付されている。
根尖病変はどれくらいで小さくなってくるだろうか?
またもう一つのグラフは以下である。
根尖病変が再治療で消えるには何年かかるだろうか??
この論文をきちんと読むことができれば、あなたはエンドのセミナーや勉強会に行く必要はないだろう。
さて、上記の論文の結果から、4年経過しても根尖病変が治癒をしていないことから、Apicoectomyを行うことを勧めて患者さんは同意したのでこの日にApicoectomyが行われた。
#13 Apicoectomy(2022.3.17)
気泡が入っているが、Follow Tube Theoryを理解していれば、それが問題がないことであるということがわかるだろう。
次回は抜糸を1週間後に行うことになった。
さあその時、歯茎の状態はどうなっているだろうか?
1週間後を乞うご期待。