週末日曜日はまつうら歯科医院で, Basic Course 2022が行われた。

参加者は7人。

一人がバイク事故で参加できず7名での開催になった。

Zoomで試みようとしたが…時間がかかりすぎるため会場での講義のみになってしまった。

すいません。

今日は記念すべき1回目。

参加者のバックグラウンドは様々であった。

開業医、勤務医、まだ卒業して数年しか経過していない先生。

今年は今年の特徴がありそうだ。

ということで今年の講義は歯内療法の大原則を探る講義を行った。

Kakehashi論文。

私がUSCを受験した時に読まされたものだが、何度も読んでいたもので当時の歯科医院でもプレゼンを作っていたような題材であったので全く難しくなかったことを昨日のように思い出す。

Kakehashi 1965 The effect of surgical exposures of dental pulps in germ-free and conventional laboratory rats.

生まれてから無菌的な環境で育てられて無菌的な餌を与えられたRatと我々と同じような生育環境で育てたratの大臼歯をタービンで露髄させた。

我々と同じ生育環境で育てられたRatの歯に穴を開けると全ての歯が根尖病変ができて歯髄は壊死している。

では、無菌環境下だとどうだろうか?

といえば、MTAセメントもない時代であるにも関わらずDentin Bridgeができている。

何がDentin Bridgeを作る原因だろうか?といえば、この2種類の実験系の違いはなんだろうか?といえば、細菌がいるか?いないか?の違いである。

細菌がいる環境では、歯髄は壊死するがいない環境ではDentin Bridgeができることがそれを裏付けている。

ということで、このことからRubber dam防湿を行うことは歯科医療で必須であると言えるだろう。

そのように根管治療を行ったら、適合のいいクラウン修復を装着する必要があることはRay&Trope 1995 の論文からも論を待たない。

ということで補綴治療も予後を保障するには重要な要素の一つであるということがわかる。

良い根管治療を行い、良い補綴治療を行うことが成功の鍵である。

では、それを理解した上で、Initial RCTの成功率、Re-RCTの成功率はいくらだろうか?といえば、下の新しい?図がそれを示している。

ということで見るべきは根尖部の拡大の状況である。

治療する前に予想ができなければ治療は成功しない。

治療の成功を頭に入れて治療を行っていこう。

☆このBlogにもそうした情報を掲載しているので参考にしていただきたい。⇨https://fukuoka-endodontics.com/歯内療法の各種成功率/

そしてこの網から漏れた症例は外科的歯内療法へ移行する。

マイクロスコープが必要であるが、その理由を理解できただろうか??

そして実際の症例を用いて、治療の説明方法を教授した。

いくらプレゼンを作っても無駄である。

重要なことは絵を書いて説明することだ。

私がアメリカで多くの症例はそうやってgetしていた。

勘弁だが心に訴える?方法なのだろう。

実際に説明してその用紙を受講生にお渡しした。

明日からの臨床が変わる可能性がある。


午後からは診査・診断の話を行った。

しかしその前に病名を覚えなければならない。これに関してはこれからもことあるごとに質問していくので諦めて覚えてください。

まずは歯髄の診査から行う。

どのような検査があってどのような特徴があるか?を押さえよう。

カリエスが歯髄に接近していたらどのような可能性が診断で生じるだろうか?

歯髄診断を超えたところに真実がある可能性がある。

が、それは誰にも分からない。

PAで深い虫歯がある時、どのような治療を提案するか?調べた論文がある。

Koopaeei 2017 General dentists’, pediatric dentists’, and endodontists’ diagnostic assessment and treatment strategies for deep carious lesions: A comparative analysis

結果は、以下のようになった。

GPと小児歯科医師の80%がDirect Pulp CappingかPartial pulpotomyを行うのに対してEndodontistは60%が根管治療を選択する。

何を教育されたか?の違いがこの治療方針の違いに影響を与えていると言えるだろう。


最後に次回の実習に向けての準備物を提示した。

ルーペ

ライト

抜去歯牙(前歯・小臼歯)

ProTaper SX

C+ File 25mm #6,8,10

K File 31mm #6,8,10

HyFlex EDM 25mm #10.05, #20.05, #25.V, #40.04, #50.03, #60.02

WaveOne Gold Glider 31mm, WaneOne Gold 31mm Small, Primary, Medium, Large

シーラー、ペーパーポイント、Gutta Percha Point、根充用ピンセット、BLコンデンサー等準備しますので、持参不要です。

ということで今日も1日が終了した。

次回から日曜日に懇親会を行うため、調整さんで参加の有無をcheckすることになったこともお知らせした。

次回からもよろしくお願いいたします。