紹介患者さんの治療。
元々は#10,11のApicoectomyし、その後にImplantであったが
私が#10,11をApicoectomyしてから?考え方が変わり、なるべく歯牙を保存したいという希望に変わっていっった。
#7,8の治療に移行したのがこの日であった。
歯内療法学的診断は以下になる。
#6 Cold+3/3, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#7 Cold NR/20, Perc.(+), Palp.(+), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#8 Cold NR/20, Perc.(+), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
打診痛があり抜歯も考えたが、なるべく歯牙を保存したいという。
PAは以下になる。
CBCTも撮影していた。
#7
#7は根尖部の側方に病変があり、ここが痛みの原因と考えられる。
圧痛もあることから問題はないと考えた。
#8
#8はほとんど歯根がなく抜歯してもいいくらいの歯であるが…保存を希望された。
打診痛がある。
根尖部の根管充填剤が抜けているからだろうか?
その理由はわからない。
この歯を保存するには通法通り3mm切断し逆根管形成することもできるが動揺が発生し、予後が不良になるだろう。
根尖病変はないことから、1mm根尖部を切断し1mm逆根管充填材を逆根充すれば封鎖には問題ない。
昔、やった治療と同じ方法で攻略することにした。
詳細はAdvanced CourseまたはBasic Courseで解説する。
歯内療法学的診断は以下である。
#7,8
Pulp Dx: Previously Treated
Periapical Dx: Symptomatic apical periodontitis
Recommended Tx: Apicoectomy
ということでApicoectomyを行うことに患者さんは同意した。
治療が開始された。
#7,8 Apicoectomy(2022.8.24)
☆以下、外科治療画像が出てきます。不快感を感じる方は飛ばしてください。
治療前に、#7,8のメタルポストコアをファイバーポストを用いたレジンコアに変更した。
それから外科治療へと移行した。
#8 Apicoectomy(2022.8.24)
#8は根尖部のGutta Percha Pointが透けて見えているので根尖部の把握は比較的容易である。
BC puttyのみで逆根管充填した。
以下の動画がその証拠である。
#7 Apicoectomy(2022.8.24)
#7は根尖部は透けていないが何本もApicoectomyをしているとこの辺りに根尖部があるというのがわかってくる。
メチレンブルーで染色して逆根管形成、逆根管充填をした。
古い(ダイヤモンドが剥がれた)逆根管形成チップで逆根管形成すると逆根管形成の内側の頬側の根管壁にGutta Percha Pointが以下のように残存する。
チップのダイヤモンドが剥がれたら、それは交換時期である。
このシルバー系の超音波は破折はないがダイヤモンドが剥がれる。
ペントロンの逆根管形成チップはダイヤモンドは剥がれないがチップが破折する。
どっちがいいだろうか?
といえば、
私には答えはない。
あなたが”マシな方”を選ぶだけである。
滅菌していた新しい超音波チップで逆根管形成した。
PAを撮影した。
#8の逆根管形成に用いた、BC puttyはほとんどレントゲンには反映されていない。
が、私は確かに逆根管充填はしている。
次回は抜糸である。
その際の模様をまた報告しよう。
次回をお楽しみに。