紹介患者さんの治療。
#13の根尖病変の治療。
主訴は
痛くて硬いものが噛めない
歯内療法学的検査は以下である。
#12 Cold+3/3, Perc.(-),Palp.(-),BT(-),Perio Probe(WNL),Mobility(WNL)
#13 Cold NR/20, Perc.(-),Palp.(-),BT(++),Perio Probe(WNL),Mobility(WNL)
#14 Cold+2/5, Perc.(-),Palp.(-),BT(-),Perio Probe(WNL),Mobility(WNL)
PAは以下になる。
CBCTは以下になる。
CBCT(2022.5.20)
歯内療法学的診断は以下である。
#13
Pulp Dx: Previously Treated
Periapical Dx: Symptomatic apical periodontitis
Recommended Tx:Apicoectomy?or Intentional Replantation?
さて。
推奨される治療は私はIntentional Replantationと考えた。
理由は以下になる。
CEJからApexまでの長さが11mmである。
そしてApexから3mmの位置で切断したいが…頬側に垂れ下がっている上顎洞底が邪魔で切断できない。
単根でフックもない根尖部を有する歯根なので、Intentional Replantationを選択した。
患者さんは治療に同意したため、治療へと移行した。
#13 Intentional Replantation(2022.8.30)
☆以下、治療動画が出てきますので不快感を感じる方は試聴をSkipしてください。
#13 脱臼(2022.8.30)
上顎洞に近い位置に病変があるので掻爬はがっちり行わなかった。
それで問題がないことは過去に示した通りだ。
抜歯した歯を観察したが破折等はないと思われる。
#13 Apicoectomy
Apexから3mmの位置で根尖部を切断すると以下になる。
頬舌的に7mm切断する必要があるとわかる。
その時、術後PAは以下のようになるはずである。
#13 Retroprep, Retrofill(2022.8.30)
PAを撮影して確認した。
問題ないと判断し、抜歯窩へ戻した。
最後に口腔内でPAを撮影した。
今回、私が診療で気づいたTipは小臼歯の外科治療は今後歯牙に問題が特になく、根尖病変がある/なしに関わらず、ApicoectomyよりもIntentional Replantationでもういいのではないか?という考えであった。
それがなぜか?は次回のセミナーの時に受講生の皆さんに理由とともに提示してみたい。
次回は、1ヶ月後に経過観察である。
そこでまた情報を提供したいと思う。
少々お待ちください。