紹介患者さんの治療。
主訴は
#18が歯磨きの時に痛い。普段は何ともないが…できるだけ歯を残したい。(2年前に#18は根管治療している)
とのことだった。
歯内療法学的診断は以下である。
#18 Cold NR/20, Perc.(+), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#19 Cold+4/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
触れると痛いという主訴を再現できたようである。
PAは以下である。
初診時PA(2022.7.27)
が、怪しむべき根尖病変はPAでは見えない。
CBCTは以下である。
初診時CBCT(2022.7.27)
M
近心根を観察したかったが、遠心根に病変があることがわかる。
このことから考えても、
歯内療法の処置の前にはCBCTを撮影すべき
であろう。
PAでは見えないがCBCTだと根尖病変が見える。
D
D根は何も見えない。
が、咬合面から見ると大きな病変があるのがわかる。
歯内療法学的診断は以下になる。
#18
Pulp Dx:Previously Treated
Periapical Dx:Symptomatic apical periodontitis
Recommended Tx: Core build up w/wo Fiber Post→Intentional Replantation
推奨される治療は前医が#40まで拡大していること、ラバーダムを使用していないことからこの状況で#50へStep upしても0.25倍しか拡大されないことから、Intentional Replantationを薦め患者さんが同意したので治療となった。
#18 Core build up w/wo Fiber Post(2022.8.24)
治療の1回目は支台築造である。
除冠し、レジンコアを除去した。
その後、再びファイバーポストを用いてレジンで築造した。
#18 Intentional Replantation(2022.9.2)
☆これ以降、臨床的な動画が出てきます。気分を害する方は試聴をお控えください。
患者さんが治療中の様子が見たいと言ったので以下の動画は患者さんにも見てもらっている。
まず根切した。
次に逆根管形成している。
逆根管充填した。
PAを撮影した。
抜歯窩に戻した。
PAを撮影した。
対合歯をペリオの問題で抜歯しているので大きな心配はないだろう。
ということでこのIntentional Replantationは患者さんが15:00までに終了してほしいということで急いで治療して終了している。
治療時間は30分ほどだろう。
処置時間は数十分だ。
次回は1ヶ月後である。
また報告したい。