以前の記事の続報。
あれから2年が経過していた。
右上の1,2をApicoectomyしている。
その際の経緯は過去記事を読んでもらえばわかるが端的にまとめると、
主訴は、
前歯部の歯内療法処置を希望されて来院
であり、
この問題でもう10年以上も悩んでいるという。
ちなみに、
うちに来院される前には、歯内療法+マイクロスコープで有名な?某地方都市の歯科医院(某地方都市で歯内療法のセミナーを主催しており、それは満員御礼だという)に通院していたが、その歯は抜歯だとの事で某大学病院歯科へ紹介
紹介されたその某大学病院歯科では、保存可能であるがApicoectomyのみならず、口蓋からもアプローチして切歯管に近いところも掃除?する??と説明
という流れのようだ。
特に後半のこの2つが全く理解ができない。
この考え方は、
根尖病”巣”
と言う考えの方に共有の哲学であろう。
悪いのは病巣だ、そこに細菌がいるのだ(もちろんいるが)、だからそれを取り除かなければなければならない!という、
”宗教的妄想”である。
しかし、学習したことがある方ならお分かりだろうが、事実は、悪いのは歯根に存在する細菌であるのだが、
もう言っても無駄
なのだろう。
私はそう言う人間を相手にしないと決めたからだ。
全ての人間が分かり合えるわけはない。
私のことを嫌いな人ももちろんいるのだ。
しかし、私は追わない。
どうぞ、ご自由に。
しかし、こんな人たちに何を学ぶと言うのだろうか?私には永遠に理解ができない。
さて、エンドの外科が難しくなる解剖学的要素が前歯に何かあるのだろうか?
やばい神経・血管は一般的に前歯にはないが…
当時の検査等は以下である。
歯内療法学的検査(2021.3.27)
#6 Cold+2/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)
#7 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(+), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)
#8 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(+), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)
#9 Cold+2/4, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)
PA(2021.3.27)
根尖部に病変が見られる。
CBCT(2021.3.27)
#8周囲に危険な要素は何一つない。
拡大してみよう。
切歯管が見えるが、そこをまず切ることはなさそうだ。
#7も何も問題がないEasyな外科治療だ。
逆根管充填した。
さてここから時間が約2年経過した。
あれからどうなっただろうか?
#7,8 Apicoectomy 2yr recall(2023.2.21)
術前にあった臨床症状はもうない。
主訴は改善されていた。
10年来の悩みがついに解消されたのだ。
CBCT(2023.2.21)
#8はComplete healingと言っていいだろう。
次に#7である。
#7もComplete healingと言える。
症状もないことがそれを支えている。
この患者さんは#13のApicoectomyが必要である。
理由は以下の画像だ。
#13 B(B)
#13 P(B)
このアンダー気味の作業長を埋めれば治癒が得られるか?は誰にもわからないが、
①この患者さんは九州在外の遠方の方で、
②経過観察にはちょくちょく来れない
ことから、この歯もApicoectomyを選択した方がいいだろうと伝えた。
以上で#7,8 Apicoectomy 2yr recallは終了した。
また、#13の外科治療の様子などをご報告したい。
それまで少々お待ちください。