今日はBasic Courseの第7回目が行われた。

今日からテーマが再根管治療に入っていく。

再根管治療は日本の歯科治療で最も多い治療だろう。

なぜか?

抜髄・根管治療をはじめとするいわゆるInitialのRCTの成功率が極めて低いからである。

具体的な数字は知らないが、抜髄の件数の1.5倍も再根管治療の件数があると昔聞いたことがある。

それから考えても再根管治療というのは日本の歯科医師に於いては

“どうしていいかもはやわからない” 歯科治療を指すだろう。

この日はそのような負の評価を得ている?再根管治療にスポットを当てるべく話をしていった。

まず実際の症例を出してディスカッションを行なった。

先日このブログにもあげた昔治療した患者さんの経過観察に関してである。

受講生の方々に問うたのは、この症例を通して何に気をつけるべきなのか?という点である。

このPAを見て貴方は何に気をつけようと思うだろうか?

またこの歯を治療する上で患者に必ず語らなければならないこととは何だろうか?

治療後、2年4ヶ月経過したが何をこの患者さんに告げる必要性があるだろうか?

それからこの日のテーマの再根管治療の講義に入っていった。

成功率に関してはこのブログでも何回か触れたことがあるのでご存知の方も多いだろう。

しかし、貴方が知っていても治療を受ける患者がその事実を知らなければ患者は貴方にお金を払ってはくれないだろう。

近心根しか穿通しなかったがこれは悪い再根管治療の見本だっただろうか?

悪くないとしたら、どれくらいの確率で根尖病変は治癒するのだろうか?

そしてどれくらいこの歯は持つのだろうか?

貴方にはそうした質問に答えられる“根拠”があるだろうか?

そして、こうして症例を通じて学んで行くということが最も重要なことである。

頭に入りやすいからである。

講義ではその根拠の一つとなる論文を紹介し解説した。

そして中盤〜後半は再根管治療を行って行く上での意思決定の話をしていった。

まず根尖病変がある場合、重篤な細菌感染が存在する。

この際大事なのは何号まで拡大するか?テーパーはどうするか?だ。

色々な考え方があるということを教わったが…さてどうすればいいだろうか??

私の現在での考え方を含めて講義でお伝えした。

そう、セミナーで述べることは時間とともに変化してく可能性がある。

今日伝えたことは数年後変わる可能性があるのだ。

なぜか?

常に材料は進化しているからだ。

実際、私は米国・大学院時代に愛用していた材料を今はあまり使用していない。

また、歯牙の解剖についても触れた。

MB2はどれくらいの確率で存在するだろうか?

MMはどうだっただろうか?

CBCTがあればそれが見えただろうか?といえば実際治療しないとわからない。

しかし、デンタルで予想をつけることも可能だった。

またファイルが折れた場合、それを取るか取らないかはどのようにして決めればいいだろうか??

さてこの日はこの他にも

難しい根管への対応方法

PAでの読影方法

石灰化した根管に対する対応方法

メタルポスト・ファイバーポストに対する考え方

穿孔のマネージメントについて

etc.

を解説した。

次回は2/7(日)10:00〜今日と同じリファレンス博多近代ビルで行われる。

1日ご苦労様でした。