以前の記事の続報。
ここからさらに半年が経過した。
患者さんは関西に引っ越されたが、実家が福岡なので年1回帰省しているという。
その際に経過を見せてもらっている。
画像的な変化は以下である。
初診時(2020.11.20)
主訴:歯根治療について。左上の奥歯にSinus Tractがあることに気づいた。現在も(+)。ラバーダムをかけて根管治療をしなかった。
歯内療法学的検査(2020.11.20)
#13 Cold+3/3, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#14 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL), Sinus tract(+)
#15 Cold+2/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#14はSinus tractがある。ということは、再根管治療では埒が明かない可能性が高い。
初診時 PA(2020.11.20)
MBのApex周囲に根尖病変がある。
CBCT(2020.11.20)
MBの根尖部周囲には大きな病変がある。
ということで、診断は以下であった。
歯内療法学的診断(2020.11.20)
Pulp Dx: Previously Treated
Periapical Dx: Chronic apical abscess
Recommended Tx: Apicoectomy
Apicoectomyに移行した。
#14 Apicoectomy後 PA(2021.5.8)
#14 Apicoectomy後 CBCT(2021.5.8)
ここから約2年が経過した。
#14 Apicoectomy 2yr recall(2023.5.2)
歯内療法学的検査(2023.5.2)
#13 Cold+2/3, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#14 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#15 Cold+3/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
術前のSinus tractは消失していた。
また、いかなる不快症状もない。
Apicoectomyが患者さんの主訴を解決したのである。
#14 Apicoectomy 2yr recall CBCT(2023.5.2)
MB根周囲に存在していた大きな骨欠損(根尖性歯周炎)は消失している。
すべて私の予言通りであった。
GTRもGBRもしていない。
歯槽骨が再生しているのである。
なぜか?はもうくどいほど説明してきただろうからここでは省略する。
ということで、今までの治療を比較した。
次回はさらに1年後の2024.5にRecallを予定している。
それまで少々お待ちください。