紹介患者さんの治療。

主訴は

歯茎が腫れてものが噛めない。治療が必要である

であった。


☆この後、口腔内検査の動画が出てきます。不快に感じる方は視聴をSkipしてください。


口腔内検査(2023.6.12)

#29には腫脹がある。

歯内療法学的検査(2023.6.12)

#28 Cold+2/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

#29 Cold NR/20, Perc.(+), Palp.(++), BT(+), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL), Sinus tract(+)

#30 Cold+2/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

主訴が再現できている。

初診時PA(2023.6.12)

CBCT(2023.6.12)

湾曲が強度な根管である。

しかも根尖部にはオトガイ孔が存在する。

歯内療法の成功率は100%ではないので、またSinus tractがあることからもPressureのかかる治療になりそうだ。

失敗したら…ApicoectomyかIntentional Replantationであるがこの湾曲が強い歯を抜歯するのはかなり困難だろう。

つまり、根管治療にかかっている。

うちの歯科医院で最も大きなファイルはHyFlex EDM #60.02である。

これを使用するところまで拡大が必要だろう。

歯内療法学的診断(2023.6.12)

Pulp Dx:Pulp Necrosis

Periapical Dx:Chronic apical abscess

Recommended Tx:RCT

治療は根管治療一択である。

が、根管治療に時間はそれほどかからない。

多分、15分くらいで終了すると告げた。

ということで、同日に治療が行われた。


☆この後、治療動画が出てきます。不快に感じる方は視聴をSkipしてください。


#29 RCT(2023.6.2)

チャンバーオープンだが、紹介歯科医師が断髄までしていたので容易であった。

以下のような作業内容で根管治療を行った。Initial Binding File(本当はBindingなどしてないけど)がやや大きなサイズになったくらいで問題はない。

K#20だとスカスカで作業長が17.0mmになったが、番手を挙げてK#25にするとタイトにApexを表示した。

その時の長さが20.0mmである。

WL=RIL-0.5mmで行っている私は19.5mmを作業長とした。

K#25→HyFlex EDM #25.V⇨HyFlex EDM #40.04⇨HyFlex EDM #60.02まで形成していった。

HyFlex EDM#25.Vを使用したのは根管形成にテーパーをつけるためである。

その後は根尖部を選択的に拡大している。

その長さで根管充填した。

PAは以下である。

問題はないと思われる。

次回は1年後である。

その際に、検査、PA、CBCTなどを比較したい。

それまで少々お待ちください。