バイト先での、半年前に再治療を行なっている症例の経過観察。
主訴は右下の咬合痛。
30代の女性で昨年の夏場に右下6番(#30)の再根管治療と支台築造処置を、その後に右下5番の(#29)Core build up→Apicoectomyをしている。(2020.9)
ちなみにこの日の経過観察時に、主訴の痛みは改善されていた。
その際の治療の記録をみると以下のようになる。
#30はBC sealerを用いて根管充填していた。
後述するが、根尖病変があるのは遠心なので遠心は穿通が求められる。
しかしながら近心根は根尖病変がないので穿通できなくても大きな問題はないと考えられる。
その後、Fiber postを用いてCore build upまで行っている。
また#29は根尖部にファイルが折れ込んでいることから、Core build upしてからApicoectomyを行っている。
これらの処置から半年が経過している。
昨日のブログでも言及したように根尖病変に関しては劇的に変化することはおそらくないだろう。
しかしながら前回の処置前よりも良くはなっているはず?である。
<初診時>
<再根管治療終了時>
ここから半年経過した。
<半年経過時>
ということで双方とも治癒傾向を示していると言える。
先ほども述べたように、現在臨床症状は全くない。
次回はさらに半年後の予定である。
D根しか穿通、理想的な根管形成ができていないがOrstavik 1996の論文で示された通りの治癒傾向を示していると言えるだろう。
以上のような話を経過観察時に患者さんに行なっている。
患者さんは大喜びであった。
そして処置した部分のrecallなので、再診料もかかっていない。
もう最終補綴治療を行っても恐らく大丈夫だろう。(が、外科治療へと移行するリスクは依然としてある)
ということで次回は1年後(今年の8月〜9月)に再度ご報告する予定である。