バイト先での、半年前に再治療を行なっている症例の経過観察。

#19 Re-RCT+Core build upしている。

30代の女性で昨年の夏場に左下6番(#19)の再根管治療と支台築造処置をしていた。(2020.8.2)

その際の記録をみると、

作業長は

MB=14.0mm

ML=閉鎖

D=閉鎖

であった。

全ての根管でMAF=#40.04(ただし根管の3/4を最終的に#50.03で形成)であった。

そして最大の懸案だったMBが穿通した。

これは治る可能性が高いかもしれない。

と私は記事を書いていた。

しかし、一方で再根管治療した歯が治癒するには通常4年と言う期間を要することもわかっている。

現在半年経過しているのでこのOrstavik 1996のグラフからいえば、50%近く根尖病変は小さくなっているはずだ。(healing roots)

しかしながら根尖病変がなくなることはほぼないと考えられる。(healed roots)

このhealed rootsというグラフからは100%の再治療の根管がhealedするには、4年という時間が必要であることもわかっているからだ。

さてこの文献通りの治癒傾向を示しているだろうか?

<治療前→治療終了時(2020.8.2)>

ということでここから時間が7ヶ月経過している。

<経過観察時(治療より7ヶ月経過)>

MB根しか穿通、理想的な根管形成ができていないがOrstavik 1996の論文で示された通りの治癒傾向を示していると言えるだろう。

以上のような話を経過観察時に患者さんに行なっている。

患者さんは大喜びであった。

そして再診料もかかっていない。

もう最終補綴治療を行っても恐らく大丈夫だろう。(が、外科治療へと移行するリスクは依然としてある

ということで次回は1年後(今年の8月〜9月)に再度ご報告する予定である。